福岡県議会の海外視察をめぐり、宿泊費の基準超過や契約後の費用増額が常態化していたことが、2023年度の朝日新聞の調査で明らかになった。調査では、福岡県議会の年間視察費が全国で最も高い約7999万円に上り、全国平均の約6倍に達している。
1泊16万9千円の宿泊も 基準の6倍超
2023年以降の海外視察は23件で、総経費は2億6496万円。1人あたりの平均は約135万円だった。最高額はスイス・フランス視察の約3003万円(11人参加)で、1人あたりではエジプト視察(4泊6日)の275万円が最高だった。
宿泊費は県が宿泊地ごとに基準を設定しているが、2024年のフランス視察で議長が宿泊したホテルは1泊16万9千円で基準の6倍超。ハワイ視察でも最高13万3300円と同様に基準を大きく上回っていた。県議会事務局は「旅行会社が挙げた候補から最も安いホテルを選んだ結果」と説明し、円安の影響で基準が実態と合わない時期があったとも述べている。
契約後の費用増額が常態化
旅行会社との随意契約後、通訳や車両の手配などが追加され契約額が増えるケースが多発。2025年のハワイ視察では約98万円が最終的に約650万円に膨らんだ。2023年8月以降の視察全体では、当初の計約2359万円が3.7倍の約8944万円に増加している。
県議会事務局は「航空券を早く確保するため、不確定なものは除外して必要分のみ先に契約し、予定確定後に変更契約を結ぶ方式だった」と説明するが、県監査委員は県民の不信感につながりかねないとして是正を求めた。
全国の議会で見直しの動き
朝日新聞が2023年に47都道府県と20政令指定市の議会へ実施したアンケートでは、23年度に視察を計画していたのは36議会。年間費用が明らかな34議会の平均は1336万円で、福岡県議会の7999万円は突出していた。
一方で、意義が疑問視され公費での海外視察を廃止した自治体もあり、福岡県議会は現在、見直しに着手している。今後、どこまで踏み込んだ改革が行われるかが焦点となる。



