世界の防衛費が過去最大の410兆円に、ロシア脅威で欧州が増額傾向
世界防衛費410兆円で過去最大、ロシア脅威で欧州増額

世界の防衛費が過去最大の410兆円に達する

英国のシンクタンクである国際戦略研究所(IISS、ロンドン)は2月24日、軍事情勢を分析した年次報告書「ミリタリー・バランス」2026年版を公表しました。それによると、2025年の世界の防衛費は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年比2.5%増加し、2兆6300億ドル(約410兆円)に達しました。これは過去最大の規模であり、国際的な安全保障環境の緊迫化を反映しています。

ロシアの脅威に対抗する欧州での増額が顕著

特に注目されるのは、ロシアの脅威に対抗する欧州諸国での防衛費増加傾向です。欧州全体では、世界の防衛費の2割以上を占めるまでに拡大しており、地域的な安全保障への投資が積極的に進められています。この動きは、ウクライナ侵攻が長期化する中で、各国が自国の防衛体制を強化する必要性を強く認識していることを示しています。

ウクライナとロシアの軍事費動向

ウクライナの軍事費は、国内総生産(GDP)比で21.2%に達し、各国の中で突出して高い水準となっています。これは、侵攻に対処するための緊急的な支出が続いているためです。一方、ロシアの軍事費の伸び率は前年比で鈍化したものの、報告書は「戦力を維持している」と分析しており、依然として大きな脅威として認識されています。

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米国と中国の軍事費の動き

米国の軍事費は世界最大の9210億ドルを記録しました。2025年1月に発足したトランプ政権は、自国第一主義の下でウクライナへの援助を縮小し、自国防衛に重点を置く方針を打ち出しています。同時に、欧州やアジア太平洋地域の同盟国に対して、防衛費の増額を迫る姿勢を示しています。

第2位の中国は、軍事費が2513億ドルに達し、アジア地域の軍事費の4割超を占めました。このことから、アジア太平洋地域における軍事的なプレゼンスが強化されていることが窺えます。

国際的な協調と温度差

トランプ政権によるウクライナ援助の縮小と、欧州諸国が後押しを続ける姿勢との間には、明らかな温度差が生じています。このような国際的な協調の難しさが、世界の防衛費増加の背景にある一因とも考えられます。各国が独自の安全保障戦略を追求する中で、グローバルな平和維持への道筋は依然として不透明な状況が続いています。

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