「今こそ大統領選挙をする時だ」――。独裁的な大統領が1月に米国によって拘束された南米ベネズエラで、そんな市民の声が高まっている。大統領の不在にもかかわらず、民主的な選挙が行われないまま、副大統領が率いる暫定政権が存続しているためだ。
暫定政権がトランプ米政権との関係を深める中で、選挙の実施は遠のいているとの見方も出ている。
市民のデモと選挙への期待
「投票が未来をつくる」「独裁はもうたくさんだ」。7月8日、首都カラカスの広場にたくさんの市民が集まり、そんな言葉が書かれたプラカードを掲げた。デモは熱気を帯び、参加者は「早く選挙を!」と声を合わせた。
トランプ政権は1月、ベネズエラに武力攻撃を加え、米国への麻薬密輸に関わったとしてマドゥロ大統領を拘束した。国際社会が国際法違反だと批判するなか、ベネズエラでは当初、多くの市民がマドゥロ氏の拘束を肯定的に受け止めた。選挙結果を無視して圧政を敷いてきた独裁者が排除され、公正な選挙で新たな大統領が選ばれると期待したからだ。
現地で見た現実と失望
だが実際は、マドゥロ政権で…



