ICC赤根所長への米制裁は暴挙、日本は国際法廷を守れ
ICC赤根所長制裁 米の暴挙から国際法廷を守れ

トランプ米政権が国際刑事裁判所(ICC)への敵視姿勢を強め、赤根智子所長への制裁に踏み切った。国際法廷を率いる日本人代表への不当な攻撃であり、ICCへの支援を通じて法の支配の徹底を主張してきた日本外交を真っ向から否定する暴挙だと批判されている。

米国務長官の声明と制裁の内容

ルビオ米国務長官は声明で、赤根氏らがICCに加盟していない米国などの政府関係者の捜査や訴追に直接的に関わってきたと主張し、「国家主権への攻撃は容認しない」と批判した。これはICCがかつてアフガニスタンなどで活動する米軍人らを捜査対象としたことや、2024年に非加盟国のイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したことを念頭に置いているとみられる。しかし、いずれもICCの加盟国や検察官、裁判官らの正式な司法手続きを経た判断であり、それを理由に個人を制裁するのは筋違いだと指摘されている。

制裁により、赤根氏ら13人の裁判官や検察官は米国への入国禁止のほか、米国の金融システムや通信サービスから切り離される。米国以外の銀行や企業が米国の二次制裁を恐れて取引を控える可能性もある。

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トランプ政権の目的とICCの現状

トランプ政権の目的はICCを機能不全に陥らせることだ。ルビオ氏は7月にICC解体を目指すと表明し、加盟国に脱退を迫っている。すでにチャドとベネズエラが脱退を表明した。

ICCは戦争に絡む残虐行為などを犯した個人を裁く常設の国際法廷として2002年に設立された。それ以前に起きた大量虐殺などの犯罪は、国連が特別法廷を設置して対応していた。米国、中国、ロシアなどはICCに加盟していないが、125もの国・地域が加盟している。戦火や人道危機が絶えない中で、国際条約に基づき設置された常設の裁判所が必要だという思想が広く支持されている証左だとされる。

日本政府の対応と責任

米国のICC加盟国への恫喝は断じて容認できない。とりわけ日本は最大の分担金拠出国であり、他の加盟国の信任を経て赤根氏を送り出した責任がある。にもかかわらず、高市首相は赤根氏への制裁について「大変残念」と述べるにとどまった。米国の圧力の前では、法の支配どころか、自国民の職務継続の権利を守るという決意すら示せないのかと失望を禁じ得ない。

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