アメリカ中間選挙が11月3日に迫る中、トランプ大統領への審判となる今回の選挙で、物価高や長引く対イラン軍事作戦への不満を背景に、トランプ氏の支持率は過去最低レベルをさまよっている。大統領選での大敗後、党勢回復を目指す民主党への追い風は一段と強まり、共和党は上下両院の多数派維持に黄信号がともり始めた。
世論調査で民主党が8.3ポイント差
世論調査の平均を示すリアル・クリア・ポリティクスによると、9月30日時点で、連邦議会選で民主党候補に投票すると答えた人は50.6%で、共和党の42.3%に8.3ポイントの差をつけた。一方、トランプ氏の支持率は4割を割り込んでいる。
連邦議会選での投票先の大きな要因は、経済への強い不満だ。ロイター通信とイプソスが9月17~20日に実施した世論調査では、トランプ氏の生活費への対応を評価する人は17%にとどまった。共和党支持者でも44%で、1月の70%から大きく低下した。長期化する対イラン軍事作戦に伴うガソリンやディーゼル燃料高も、政権への逆風を強めている。
下院で民主党が過半数奪還へ
下院の状況について、選挙分析専門のクック・ポリティカル・リポートは9月25日、15選挙区の評価を一斉に民主党有利へと変更し、共和党が過半数を失うと予測した。接戦区のほとんどはトランプ氏が2024年大統領選で勝った地域だが、同氏の支持率低下が共和党候補の重荷になっていると分析する。
435議席中215議席を持つ民主党は、多数派奪還には3議席の上積みで足りる。5~15議席増の220~230議席が最も可能性の高いシナリオだという。
上院も「完全な五分五分」に
一方、より共和党に有利とみられてきた上院でも、民主党に追い風が吹く。クックは9月23日、1カ月前まで共和党にやや分があった多数派争いは「完全な五分五分」だと分析した。
米紙ワシントン・ポストによると、上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務は、上院奪還の可能性について、数カ月前より「かなり楽観的だ」と語った。イラク戦争への市民の不満を追い風に、民主党が上下両院を奪還した2006年と似た情勢だとの見方を示した。
それでも、民主党の多数派奪還はなおハードルが高い。改選35議席のうち、現有議席を全て守ったうえ、4議席を共和党から奪う必要がある。一方で、共和党が持つノースカロライナ州は「民主やや優勢」、トランプ氏が大統領選で13ポイント超の差で勝ったテキサス州も「共和やや優勢」から「接戦」に移るなど、勝利への道筋が見えつつある。