米イラン応酬、湾岸諸国がイラン非難に一斉に動く
米国とイランによる12~13日(米東部時間11~12日)の攻撃の応酬で、イランの反撃を受けた米軍基地を抱える近隣諸国は、一斉にイランを非難した。ホルムズ海峡の安全航行を共通の利益とするペルシャ湾岸の産油国内で、イランの孤立が顕著になっている。
「繰り返し約束を破っているのは米国だ。誰もイランを批判できない」。イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は13日の記者会見で、イランは覚書を順守していると言い張った。
イランが固執する覚書の条項と実態の乖離
イランが固執するのは、ホルムズ海峡の安全航行の調整は「イランが最善の努力を尽くす」と明記した覚書の条項だ。米国の関与を拒絶し、イラン指定の航路しか船舶の航行を認めておらず、「安全航行のため」と主張している。
対米協議でイラン代表団を率いるモハンマドバゲル・ガリバフ国会議長も12日、覚書の該当部分にマーカーを施し、「約束を守れ。さもなくば代償を払え」とSNSに投稿した。
ただ、指定航路から外れた船舶への攻撃は、ホルムズ海峡の安全そのものを脅かしているのが実情だ。米国とイランの攻撃の応酬は、米軍基地や関連施設を抱える近隣諸国にも被害を及ぼしている。
仲介国カタールも標的に、イラン包囲網の形成
標的には米イラン協議の仲介国カタールも含まれ、近隣諸国は12日、個別にイランを名指しで非難した。イランが加盟するイスラム協力機構(57か国・地域)事務局も非難声明を出すなど、事実上の「イラン包囲網」となりつつある。
ホルムズ海峡の「権益」に固執するイランは、友好国への攻撃も辞さない姿勢を見せている。
オマーン訪問での協議不調、革命防衛隊が攻撃
イランのアッバス・アラグチ外相は11日、オマーンを訪問し、海峡の管理方法や安全航行について意見交換した。バガイ氏は13日の会見で、協議は「米国のオマーンに対する圧力で(目的を)達成できなかった」と不満をあらわにした。イランが導入を目指す「サービス料」の制度で結論が出なかったとみられ、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は協議終了の数時間後、米軍が使用するオマーンの燃料補給施設などを攻撃したと発表した。
産油国の苦境、当面続く見通し
産油国である近隣諸国は軍事的な緊張の高まりを避けたいのが本音だが、イランの抑制を引き出す手立ては見当たらない。イランが船舶攻撃を続ける限り、協議の停滞は避けられず、近隣諸国の苦境は当面続くとみられる。



