トランプ関税、日本企業に大打撃 自動車部品で供給網寸断
トランプ関税、日本企業に大打撃 自動車部品で供給網寸断

ドナルド・トランプ前米大統領が導入した追加関税が、日本企業のサプライチェーンに深刻な打撃を与えている。とりわけ自動車部品分野では、部品の米国輸入関税が最大25%に引き上げられ、多くの日本企業がコスト増に直面。年間で約1兆円の追加負担が生じると試算され、中小企業の倒産リスクが高まっている。

関税引き上げの背景と影響

トランプ政権は2018年から鉄鋼・アルミニウムに25%の関税を課し、その後、自動車部品を含む幅広い品目に追加関税を適用。日本からの輸出は年間約5兆円に上り、そのうち自動車関連が約4割を占める。日本自動車部品工業会の調べによると、対象品目は約2000品目に及び、中小企業の約7割が関税の影響を「非常に大きい」と回答している。

「関税コストは最終的に日本企業の負担となる。特に収益率の低い中小部品メーカーにとっては死活問題だ」と、経済産業省の担当者は指摘する。実際、ある中堅部品メーカーは、関税負担で年間利益の約半分が消失する見通しだと明かした。

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サプライチェーンの再編とリスク

関税回避のため、一部の大手企業は生産拠点を米国内や東南アジアに移す動きを見せている。しかし、サプライチェーン全体の再編には時間とコストがかかり、特に中小企業は対応が難しい。日本貿易振興機構(JETRO)の調査では、日本企業の約3割が「生産拠点の移転を検討している」と回答する一方、約半数が「現状維持」と答えた。

「中小企業は単独で海外進出する資金力がなく、大手の下請けとして関税負担を強いられる。このままではサプライチェーンが寸断され、日本のものづくりが空洞化する恐れがある」と、早稲田大学の経済学教授は警鐘を鳴らす。

業界団体の反応と政府の対応

日本自動車工業会は「関税撤廃に向けた日米交渉を急ぐべきだ」と声明を発表。また、日本商工会議所も「政府には中小企業への支援策を求める」と訴えている。政府は2023年度補正予算で、サプライチェーン強靭化に向けた補助金制度を創設したが、業界からは「規模が不十分」との声が上がる。

「米国の関税政策は日本の産業競争力を直接損なう。官民一体で対応する必要がある」と、経済産業大臣は記者会見で述べた。一方、専門家は「関税の影響は今後数年にわたって続く。企業はリスク分散とコスト削減の両立を迫られる」と分析する。

関税問題は、自動車部品業界だけでなく、電子部品や機械産業にも波及。日本全体の輸出額の約15%が影響を受けると試算され、今後の経済成長にも影を落としている。

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