ウクライナ侵略を続けるロシアで、プーチン政権の物語に反する発言をした人々への圧力がいっそう強まっている。ロシアの国策実現を担う国営銀行「VEB」は17日までに、「ロシアは(ウクライナとの)消耗戦に勝てない」と述べた同行チーフエコノミスト、クレパチ氏を解雇。17日には露裁判所が反戦派政治家のシュロスベルク氏に対し、「露軍の信用失墜」の罪などで禁錮11年超の実刑を言い渡した。
「ウクライナ崩壊は幻想」と発言し解雇
ロシアはウクライナ全面侵攻後、刑事罰や行政罰を科すなどして反戦的な言論や政権批判を徹底的に封じ込めようとしてきたが、直近の事例は言論統制のさらなる強まりを示した形だ。経済減速やウクライナの攻撃による国内被害の拡大に直面しているロシアに「余力」がなくなりつつある兆候ともいえそうだ。
クレパチ氏に関しては、ウクライナ侵攻後に露政権の圧力を受けて欧州に拠点を移したリベラル系メディア「モスクワ・タイムズ」が今月14日、5月の露国内フォーラムで「ウクライナが崩壊するというのは幻想だ」「ロシアはこの消耗戦に勝てない」と発言していたと報道。クレパチ氏はウクライナの攻撃で露経済に大きな被害が出ていることも語っていたという。
ロイター通信や一部の露メディアによると、この発言報道を受け、VEBは今月17日までにクレパチ氏を解雇。解雇は「上層部の指示」であり、クレパチ氏の発言が「国営企業の立場に合わない」との判断に基づくものだとも報じられた。
プーチン氏非難許さず
一方、実刑判決を受けたシュロスベルク氏は露国内で唯一、ウクライナ侵略に反対してきたリベラル派政党「ヤブロコ」の副党首。報道によると、同氏はプーチン露大統領が戦争を始めたことをSNS上で非難したなどとして「露軍の信用失墜」や「フェイクニュース流布」など複数の罪で起訴され、検察側から禁錮12年超を求刑されていた。



