ロシアのプーチン大統領が8月13日に択捉島に入り、ヤスニー水産加工複合施設などを訪問した。この行動が東アジアの歴史的転換点になる可能性があると、新聞通信調査会理事で共同通信ロシア・東欧ファイル編集長の吉田成之氏は指摘する。
高市政権の対ロ接近とロシアの対応
アメリカによるイラン戦争の終結が見えない中、エネルギー確保の観点から、高市早苗政権はロシア接近を試みた。先進7カ国(G7)が対ロ制裁で足並みをそろえる中での抜け駆け的外交だった。
親ロ派政治家である自民党の鈴木宗男参院議員が日本政府のお墨付きを得たうえで5月上旬に訪ロし、途絶えている日ロ外相会談の実現についてロシア側と協議した。しかし結果的にロシア側は、日本に制裁解除ないし緩和などを求めるなど、つれない対応だったと言われる。
肘鉄を食らった高市政権の今後
結果的に、こうした高市政権による対ロ接近が、プーチンの北方領土訪問という形で、ロシアから肘鉄を食らった形となった。特にこの対ロ接近を進めた官邸内の親ロ派幹部にとって、苦い結果となった。
こうなった以上、北方領土問題が再び日ロ外交のテーマに戻るのは、「プーチン後」まで待つしかないと、筆者はみる。日本政府はプーチン・ロシアが侵攻で「戦略的敗北」を喫するようウクライナや欧州と手を携えるべきである。



