北朝鮮、対韓国拡声機「10月中に稼働」金与正氏が警告、境界線の緊張再燃へ
北朝鮮、対韓国拡声機「10月中に稼働」金与正氏が警告

北朝鮮の金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党総務部長は、10月中に韓国に対する心理戦用の拡声機が境界線全域で「稼働状態に入るだろう」と表明した。南北は昨年、拡声機による心理戦を停止したばかりだが、北朝鮮が放送を再開するような事態になれば、緊張はさらに高まりかねない。

背景にある「要塞化」工事と越境問題

背景となっているのは、北朝鮮が軍事境界線付近で進める「要塞(ようさい)化」の作業だ。韓国政府によると、その過程で北朝鮮兵士が境界線を越える事例が相次ぎ、韓国軍は警告放送や警告射撃で対応してきた。

だが、北朝鮮側は、韓国軍が主張する越境そのものを認めていない。与正氏は19日に出した談話で、越境を「言いがかり」だと否定し、韓国軍の対応を「挑発」「情勢激化行為」だと批判した。

金与正氏の談話と今後の見通し

21日の談話では、北朝鮮国防省の朴正天(パクジョンチョン)顧問とともに軍事境界線付近を視察したことを明らかにしたうえで、「武装した不審者らは今日も少なくとも2カ所で拡声機による警告放送と警告射撃を行った」と主張。「10月中に対韓国心理戦の拡声機が稼働状態に入るだろう」と警告した。

22日には拡声機が「数日内」に稼働する可能性にも言及しており、軍事境界線を挟んだ韓国と北朝鮮の対立が再び先鋭化しつつある。北朝鮮が実際に放送を再開すれば、南北間の緊張はさらに高まる恐れがある。