安倍晋三元首相は、米国は北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を絶対に許さないとの認識を示し、今後の米朝交渉では拉致問題の解決が重要な課題となるとの考えを強調した。
金正恩氏の過去の発言と米国の対応
2019年6月30日、トランプ米大統領(当時)の呼びかけに応じ、南北軍事境界線がある板門店を訪問した北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記。2018年春、極秘に訪朝した米国の第1次トランプ政権のポンペオ国務長官に対し、金氏は「(米国が)ずっと私を殺そうとしてきたのを知っている」と語った。ポンペオ氏は「今もそうですよ」と応じたとされる。
独裁者は常に暗殺におびえる。米国が今年に入ってから、ベネズエラのマドゥロ大統領やイランの最高指導者アリ・ハメネイ師をピンポイントで捕捉し、拘束や暗殺に結び付けた手際を見れば、なおさらだろう。金氏も米国の恐ろしさを重々承知しているはずだ。
トランプ氏の発言と北朝鮮の思惑
トランプ大統領は19日、金氏と年内に首脳会談を行う意向を表明し、北朝鮮の核開発を阻止できなかった歴代大統領の無為を批判した。北朝鮮の戦力について「57個の強力な核兵器を持っている」とも言及した。
金氏にとっては、待ち焦がれたチャンスである。トランプ発言は北朝鮮の核保有を事実上追認したとも受け取れるうえ、米朝会談で経済制裁の緩和や解除に持ち込めたら利益は大きい。あわよくば体制保証の確約をと、皮算用を巡らせているかもしれない。



