地方移住の成功は47都道府県を取材して分かった「自分を知る」ことが出発点 編集者・徳谷さんが語る田舎暮らしの現実
地方移住の成功は47都道府県を取材して分かった「自分を知る」ことが出発点 編集者・徳谷さんが語る田舎暮らしの現実

地方移住を成功させるには、移住先を選ぶ前にまず自分自身を「知る」ことが大切だとされる。そのヒントは、長野県信濃町で暮らす編集者・徳谷さんの日常にある。

例えば、大きな災害が起きたとき、普段から顔の見える関係を築いていれば、「あの家の人、最近足を痛めていたな。避難できているかな」という自然な気配りが生まれる。この「干渉」は、取り残されないためのセーフティーネットでもあるという。

お隣さんのブルーベリー畑では「好きに食べていいよ」と言ってもらい、夏になると娘と一緒に収穫を楽しむ。そんな近所との関わりが、移住先での暮らしを支えていく。

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「スローライフ」は、実はめちゃくちゃ贅沢でハードルが高い

「田舎でスローライフ」というイメージに、徳谷さんは違和感を覚えるという。彼はこう話す。

「『何もしないでのんびり過ごすスローライフ』って、実はめちゃくちゃ贅沢でハードルが高いことだと思っています。本当に田舎でそれをつらぬきたいなら、草刈りや除雪作業をプロにお願いするなど、暮らしの労働をすべて外注できるような時間的・経済的なゆとりがないと成立しません。ここ10年で現代人は時間を奪われ続けているので、むしろクイックに大量のタスクをこなす喜びの方が強くなっている。実際に信濃町に住んでいる私の周りの移住者たちも全然スローな生き方はしていなくて、旅をしながら遊んで働いて、お祭りの準備をして……と、むしろ忙しそうに日々を謳歌しています」

草刈りを楽しめるかどうかが分かれ目

お金の話だけでなく、地方での暮らしは、草刈りや雪かきなど、都市では誰かがやってくれていたことを自分でやる日々だ。この現実にどう向き合うかが問われる。

「草刈りを面倒だと思うか、楽しめるかどうかが分かれ目になります。僕は頭を使う仕事をしている分、草刈りや除雪、薪割りというフィジカルな行為がある意味マインドフルネス的に面白がれている。田舎の方が日々の用事が多くて忙しく不便だけど、やることが多くていろんな技術も学べる。それが結果として『どこでも生きられる力』につながります」

信濃町は豪雪地帯で、冬場は膝より高い位置まで雪が積もる。除雪は生きるための術だ。また、5月から9月までの間は定期的な草刈りが必須で、日々の手入れがご近所の信頼にもつながる。

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