満州で終戦迎えた14歳、孤児から進駐軍支援で学び紙芝居に 大牟田
満州で終戦迎えた14歳、孤児から進駐軍支援で学び紙芝居に

福岡県大牟田市東新町の化粧品店経営、松井小百合さん(71)が、戦争体験者から聞いた話を紙芝居にする活動で、新作「人間の本質 大野博三さんの体験記」を完成させた。長崎県に住む大野博三さん(95)の満州からの引き揚げや孤児としての苦難、進駐軍関係者の匿名支援で学び、石油会社に就職した半生を描く。7月19日午後2時に同市の「三池カルタ・歴史資料館」で初披露され、その後は市内外で読み聞かせが行われる予定だ。

紙芝居制作のきっかけは父親の体験

松井さんが紙芝居を始めたのは、父親の渡辺松男さん(2019年に94歳で死去)の体験がきっかけだった。渡辺さんは戦争体験をほとんど語らなかったが、認知症が進んだ晩年に頻繁に話すようになった。佐賀県の旧日本軍飛行場で特攻隊員3人を見送り、自身は愛知県の航空隊に入隊直前に終戦を迎えたという。松井さんはこの体験を2008年に初の紙芝居「特攻隊」として父の誕生日に贈った。以降、空襲や原爆の体験者らから話を聞き、30作を超える紙芝居を制作・発表してきた。

大野博三さんの満州での体験

大野博三さんは戦時中、両親と姉の4人で満州(現中国東北部)に暮らし、14歳で終戦を迎えた。日本へ引き揚げるまでの約1年間に、元警察官の父親が死亡、憲兵だったいとこはシベリアに抑留された。自宅には強盗が入り、母親は焼けた火箸を頬に押しつけられて金品を奪われた。体調を崩した母親と姉は引き揚げ船の中で死亡。孤児となった大野さんは熊本市の親類宅に身を寄せた。

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進駐軍関係者の匿名支援で学ぶ

失望のどん底だった大野さんは、ある進駐軍の関係者からの匿名の支援で商業高校に通い、勉強に励んだ。その結果、石油元売り大手への就職が実現した。終戦から5年後、大野さんは「足長おじさん」に宛てた手紙を書き、地元紙で紹介された。松井さんは昨年12月以降、大牟田市に住む大野さんの三男・哲也さん(63)と妻・まゆみさん(61)から手記や写真の提供を受け、18枚の紙芝居に仕上げた。

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