中国・北京で人型ロボットの性能を競う「世界人型ロボット運動会」が開催されている。昨年に続き2回目で、中国メディアによると参加ロボット数は昨年の4倍にあたる約2000台。中国政府はロボットを電気自動車(EV)に続く新興産業の柱と位置付け官民を挙げて拡大を急ぐが、米中対立の新たな火種にもなっている。
16カ国から660超のチームが参加
大会は22~26日の日程で北京市政府などが主催した。中国や日米独など世界16カ国から660超のチームがエントリーしたが、うち9割は中国勢が占める。日本からはGMOインターネットグループが参加した。
陸上100メートルなどのトラック競技のほか、サッカーや卓球など計51種目が行われ、工場での作業といった実用的な能力を競う種目もある。
ボルト超えの記録、転倒や炎上のロボットも
22日夜には陸上100メートルの予選が行われ、中国の北京人形機器人創新中心が開発した「天工」が9秒32(速報値)を記録した。人類最速となるウサイン・ボルト選手の世界記録9秒58を上回る記録が相次いだ。
一方で、転倒して動けなくなったり、ゴール後に減速できずマットに激突し炎上したりするロボットも目立った。
中国政府の産業戦略と米中の駆け引き
中国当局は、イベントを通じてロボット産業の躍進を国内外に誇示し、企業の開発競争加速を狙う。北京では最新のロボットを展示する「世界ロボット大会」も19~23日に行われた。
中国は政府主導でロボット産業を拡大させている。2026年から5年間の経済運営の指針である「第15次5カ年計画」では、「新興産業を発展・強化する」としてロボットを重点分野の一つに掲げた。ロボット産業で中国の強みとなっているのは、EV産業で培ったモーターやバッテリーといった基幹部品など関連するサプライチェーン(供給網)だ。ロボットの自律的な制御に欠かせない人工知能(AI)も米国に追い付こうと開発競争を繰り広げている。
一方で、米連邦通信委員会(FCC)は7月下旬、中国製を念頭に人型などの高度なロボットの輸入禁止を発表した。中国商務省は今月上旬に報復措置として、米国に対するドローン(無人機)の輸出管理強化に動いた。米中では9月に首脳会談も控える中、両政府間でロボット分野を巡る駆け引きが続きそうだ。



