トランプ米大統領は5月14日、中国からの輸入品に対する関税を最大145%に引き上げる大統領令に署名した。この措置は、中国による知的財産権侵害や技術移転の強要に対抗するためのものとされる。新たな関税は、既に発動されている制裁関税に上乗せされる形で、対象品目は中国からの全輸入品の約半分に及ぶ。
関税引き上げの背景と詳細
ホワイトハウス当局者によると、今回の関税引き上げは、米国通商代表部(USTR)が行った301条調査に基づく。調査では、中国が米国企業に対して技術移転を強要し、知的財産を侵害していると認定された。トランプ大統領は声明で「中国は長年にわたり不公正な貿易慣行を続けてきた。今回の措置で、米国の労働者と企業を守る」と述べた。
関税率は品目によって異なり、半導体や電子機器などのハイテク製品には145%、衣料品や家具などの消費財には25%が適用される。新関税は6月1日から段階的に発効し、年内に全品目に適用される予定だ。
中国の反応と今後の見通し
中国商務省は即座に反発し、「米国の行動は国際貿易ルールに違反しており、断固として反対する。必要な対抗措置を取る」との声明を発表した。中国はすでに、米国産大豆や自動車などへの関税引き上げを検討していると報じられている。
専門家は、この関税引き上げが世界経済に深刻な影響を与えると警告する。国際通貨基金(IMF)の試算では、米中両国の関税が現在の水準からさらに10%上昇すれば、世界のGDP成長率が0.5%押し下げられる可能性がある。また、サプライチェーンの混乱により、日本を含む第三国にも波及効果が及ぶとみられる。
日本企業への影響
日本貿易振興機構(JETRO)の調査によると、在華日系企業の約7割が今回の関税引き上げにより悪影響を受けると予想される。特に、自動車部品や電子部品を中国から輸入している企業は、コスト増加に直面する。一方、一部の企業は生産拠点を東南アジアなどに移す動きも加速するとみられる。
日本の政府関係者は「事態を注視し、必要に応じて対応を検討する」と述べているが、具体的な対策はまだ示されていない。



