ICC制裁、敵意むき出しの米国 平和賞発表直後の決定、背景にイスラエル首相逮捕状
ICC制裁、敵意むき出しの米国 平和賞発表直後の決定

トランプ米政権は9日、国際刑事裁判所(ICC)を制裁対象とする決定をした。2026年のノーベル平和賞が、ICCのナビ・ピレイ元裁判官に授与されることが決まって数時間後というタイミングは、トランプ政権がICCに対し、いかに強い敵意をむき出しにしているかを示している。

背景には、イスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状が出され、ICCの捜査が米国の関係者にも及びかねないという危機感がある。

国連総会での激しい非難

トランプ氏は9月22日に行った国連総会の一般演説で、ICCを激しく非難した。約130カ国・地域の首脳や閣僚らが集まるなか、ICCを「邪悪な集団」と呼び、「米軍人らが、管轄権を持たない反米的な法廷によって捜査されたり、見せしめの裁判にかけられたりすることを決して許さない」と主張。すべての加盟国に脱退するよう呼びかけた。

歴代政権よりも突出した対応

トランプ政権が発足する以前から、米国はICCに懐疑的な立場を取ってきた。ICCの設立を決めた国際条約「ローマ規程」が1998年に採択された際は、加盟国内で起きた犯罪であれば非加盟国の国民であっても訴追できるとする「属地主義」が採用されることに反発し、反対にまわった。属地主義が適用されれば、世界各地に展開する米軍の関係者が訴追の対象になる可能性があるためだ。

だが、歴代米政権と比べても、トランプ政権の対応は突出している。第1次トランプ政権の2020年には、アフガニスタンでの行動をめぐってICCが米兵を捜査対象としたことを受け、ICCの検察官らを制裁対象とした。