国連ウクライナ人権監視団は14日、ロシアによるウクライナ侵略に伴い2026年6月に死傷した民間人が計2283人(うち死者293人)に達し、侵略開始直後の2022年5月以来で最悪の数字となったと発表した。監視団は「エスカレートの傾向がある」として、都市部への攻撃激化に懸念を示した。
6月の死傷者の45%が長距離兵器による攻撃
14日公表の報告書によると、6月の死傷者の45%が、ミサイルや無人機といった「長距離兵器」による攻撃が原因だった。都市別では南部ザポリージャで252人(うち死者23人)、同ヘルソンで254人(同18人)などが多かった。ロシア軍は軍事施設を攻撃していると主張しているが、住宅など民間施設が甚大な被害を受けている。ウクライナの迎撃ミサイル不足も重なり、民間人の犠牲は今後さらに増える恐れがある。
上半期の死傷者は前年比37%増、侵略開始以来の累計は6万5000人超
今年上半期(1~6月)に死傷した民間人は計9374人(同1396人)で、前年同期比で37%増、2024年同期比では114%増となった。1か月の死傷者は今年5月に2076人(同282人)に達し、2022年4月以来初めて2000人を超えていた。侵略開始からの累計死傷者は計6万5044人(同1万6431人)に上る。
監視団「エスカレートの傾向」、都市部攻撃に懸念
国連監視団は「エスカレートの傾向がある」と指摘し、都市部への攻撃激化に懸念を示した。ロシア側は軍事施設のみを標的にしていると主張するが、住宅地や民間インフラへの被害が相次いでいる。ウクライナの防空能力の低下も懸念材料で、専門家は「迎撃ミサイルの不足が民間人の犠牲を拡大させている」と分析している。



