米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は12日、西側情報機関関係者の証言として、ロシアがウクライナ侵略に必要なハイテク製品や工作機械を日本から第3国経由で密輸していると報じた。東京都内にあるロシアの航空最大手アエロフロートの事務所が活動拠点になっているという。
GRU将校が身分偽装
同紙によると、密輸を統括しているのは、アエロフロート社員と身分を偽った露軍参謀本部情報総局(GRU)将校。ロシアには直接輸出できないハイテク機器や工作機械を買い付け、アエロフロートと協力する都内の運送企業を通じて第3国に輸出した上で、ロシアに運び出しているという。
日本は「重要な要素」
2022年のロシアによるウクライナ侵略開始後、西側諸国はロシア人スパイ数百人を追放したが、「そのうち数十人が予想外の場所、日本に現れた」と同紙は指摘。ウクライナ政府の推計では、ロシアのミサイルや無人機の9割に日本製部品が使われているという。ウクライナは日本に、日本技術が密輸された「証拠」を提供し、輸出管理の徹底を求めてきた。
同紙は「スパイ活動を取り締まる法律の緩さとハイテク産業の繁栄で、日本はロシアの戦争遂行に重要な要素となっている」と論じている。
運送企業の反論
ニューヨーク・タイムズに名指しされた運送企業の執行役員は13日、読売新聞の取材に「記事に出てくるロシア人に一度会ったことはある」とした上で、「弊社では、国の許可を得た物品の輸出手続きをしているだけだ。アエロフロートと協力し、ロシアに経済制裁の対象品を送ったことはない」と話した。



