京都・鴨川の夏の風物詩「納涼床(ゆか)」が、今年も四条大橋界隈で多くの人々を楽しませている。約100の飲食店が床を設け、涼を求める客でにぎわっている。
江戸時代初期に始まった伝統
鴨川での夕涼みの習慣は古くからあったが、納涼床の起源は江戸時代初期とされる。京都産業大教授の鈴木康久さん(水文化)は、文献記録などから1650年代には始まっていたとみる。1780年刊行の「都名所図会」には四条河原の納涼床が描かれ、芝居小屋も見られる。
当時、祇園祭の神事に合わせ、旧暦6月7日から18日にかけて茶屋が床を設置していたという。四条河原では、出雲の阿国による「歌舞伎踊り」以来、17世紀初期に常設の遊女歌舞伎が人気を博し、動物の見せ物小屋なども並び、庶民の賑わいの場として発展していた。
庶民が伝えてきた文化
納涼床はその後、設置期間を延ばし、店の数を増やしながら旅行者も取り込んでいった。鈴木さんは「床は庶民が連綿と伝えてきた文化」と話す。涼やかな風を感じながら歴史に思いをはせると、また違った景色が見えてくる。



