イエメンの親イラン武装組織フーシは20日、サウジアラビアに対する「海上封鎖」を宣言した。声明では封鎖の対象や実施方法などの具体的な内容は明らかにされていないが、紅海を通過するサウジの原油輸送に新たなリスクが生じる可能性がある。
ホルムズ海峡の混乱と代替経路への影響
米国とイランの軍事衝突により、ペルシャ湾とアラビア海を結ぶホルムズ海峡の通航は大幅に滞っている。このためサウジアラビアは、アラビア半島を横断するパイプラインで原油を紅海側へ送り、そこから海上輸送する経路を利用している。フーシの海上封鎖宣言により、この紅海側の輸送ルートにも影響が及ぶ恐れがある。
フーシは20日の声明で、サウジがイエメンの首都サヌアの国際空港を攻撃したことへの報復措置だと主張。「目には目を」の原則に基づき、サウジに対する海上封鎖を宣言すると述べている。
紅海とアデン湾の要衝に迫るリスク
紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡は、世界の海上輸送の重要拠点の一つ。フーシはこれまでも同海峡付近で船舶への攻撃を行ってきた経緯があり、今回の宣言により同海域の安全がさらに脅かされる可能性がある。
サウジアラビアはホルムズ海峡の混乱を受け、紅海経由の原油輸出に依存を強めていた。海上封鎖が実行されれば、世界のエネルギー市場にさらなる混乱をもたらす恐れがある。専門家は「フーシの能力を考慮すれば、全面的な封鎖は困難だが、断続的な攻撃で輸送コストと保険料が急騰する可能性がある」と指摘する。
イエメンでは2014年以降、フーシとサウジ主導の連合軍との間で内戦が続いている。フーシはイランの支援を受けており、今回の宣言は中東全域の緊張をさらに高めるものとみられる。



