北陸新幹線延伸「桂川案」、先行き不安定 府内議員ら難色 議論の透明性に疑問
北陸新幹線「桂川案」先行き不安 府内議員ら難色

北陸新幹線の延伸計画を巡り、自民党と日本維新の会による与党整備委員会は、着工5条件の充足を図るルート案として「小浜・京都ルート」の「桂川案」を採用した。しかし、京都府内の議員や住民からは難色や疑問の声が相次ぎ、着工に向けてはさらなる紆余曲折が予想される。

松井市長「昨年の参院選前の状況に戻った」

桂川案の決定を受け、松井孝治京都市長は7月15日、府庁で報道陣に対し「昨年の参院選前の状況に戻った」と述べた。2016年に当時の政権が決定した「小浜・京都ルート」の再検証は、昨年夏の参院選で維新新人の新実彰平氏が「米原ルート」の再検討を主張してトップ当選したことがきっかけだ。維新が与党入りして求めた米原を含む8案の再検証を、参院選で大敗した自民も認めた経緯がある。

与党は今国会会期末までにルートを決定することで一致。自民は「小浜・京都ルート」の桂川案と南北両案を提示し、維新は早期全線開通のために米原案と桂川案を自民に示して歩み寄った。

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維新地方議員「最後まで反対の立場で」

しかし、京都市内に地下トンネルを通す案に反対してきた維新の地方議員は「最後まで(小浜・京都ルートに)反対の立場で戦ってほしい」と難色を示す。新実氏も「(参院選で投票してくれた)皆さんの思いと反する部分がある。忸怩たる思いだ」と語っている。

一方、整備委の共同委員長で自民の西田昌司参院議員は桂川案の採用後、「広い視点で議論ができた。正式決定に向けて維新と協力して事業を推進したい」と述べた。

財政負担の懸念と議論の透明性

再検証による議論の前進もあった。松井市長は「誘致していない」との立場で、財政負担の重さに懸念を表明していた。整備委のとりまとめ案では、JR側が支払う貸付料の拡充、地方の負担割合の変更などで、沿線自治体の負担の「極小化を実現する」とし、地元への配慮をにじませる形になった。

ただ、全13回の会合は非公開で、B/C(費用対便益)の算出根拠も示されていない。向日市の主婦(60)は「住民は蚊帳の外。どんな議論で桂川案になったのかわからず、急に決まった印象だ」と困惑。桂川案のルートに近い嵐山商店街(右京区)会長の石川恵介さん(56)は「もっと市民を巻き込んだ議論をしてほしい」と求めた。

松井市長「受益と負担のバランス見えず合意できない」

松井市長は7月16日の記者会見で、財政負担への懸念を改めて示し「受益と負担のバランスが見えない中で合意はできない。ここからが長い道のりだ」と述べた。その上で、巨額の事業費と長期間の工事を念頭に「長い歳月に耐えうる見通しと懸念の解消策」の提示を国に求めていた。

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