サッカー代理人の龍後昌弥氏が、欧州サッカー最前線で活躍するドイツの強力な代理人事務所の内幕を明かした。特にフォルカー・シュトルト氏は、2018年に米経済誌フォーブスが発表した「世界スポーツ代理人長者番付」で8位にランクイン。その収入は4000万ユーロ(約56億円)に達し、サッカー代理人として世界トップクラスの地位を確立している。
世界の代理人長者番付とフォルカーの位置づけ
2018年のフォーブス長者番付では、1位が野球代理人のスコット・ボラス(9060万ユーロ)、2位がサッカーのジョルジュ・メンデス(8660万ユーロ)、3位が同じくサッカーのジョナサン・バーネット(6850万ユーロ)と続く。フォルカーはサッカー代理人として5位のミノ・ライオラ(5420万ユーロ)に次ぐ8位に位置し、野球やバスケットボールの代理人を抑えてのランクインとなった。
独自の倫理観で業界イメージを変革
フォルカーはメディア露出にも積極的で、従来の代理人のイメージを覆す存在だ。2024年12月には「スポーツ・イラストレイテッド」誌のインタビューで、自身の哲学を次のように語っている。「料理人や医者の業界と同じように、代理人の業界にも良い人もいれば悪い人もいる。良い代理人は利益を優先せず、まずは選手のためにできる限りのサポートをしようとする。それが将来、結果的に大きな利益を生むんだ」。
また、「代理人の能力は、選手の能力に左右される。交渉においてポーカーは大事だが、過剰に駆け引きしてはいけない」と指摘。さらに「聖人ぶるつもりはない。私はお金を稼ぐことを楽しんできた。実際、代理人業界に入る前からミリオネアだった。今はその数倍の資産になった。それでも私にとって倫理観は非常に大事だ。我々のもとを離れたいと感じている選手を契約で縛りつけることはしない。残念ながら金儲けのことしか考えていない代理人があまりにも多い」と、業界の実情を批判した。
選手ファーストの3つの優先順位
フォルカーは、代理人事務所の使命について明確な優先順位を掲げる。「私たちにとって最も大事なのは、選手が満足することだ。2番目に大事なのは選手が適切なクラブでプレーし、我々から適切なサポートを受けられること。3番目にようやくお金がくる」。この姿勢が、多くの選手から信頼を集める理由であり、結果として長期的な成功につながっている。
龍後氏は「人に指図されていたら、いい仕事はできない」と述べ、フォルカーのような代理人が選手の自主性を尊重しながらキャリア形成を支援する重要性を強調。欧州サッカーの代理人ビジネスは、単なる金銭交渉ではなく、選手の人生設計に深く関わる職業であることを示している。



