ガザ停戦交渉、バイデン政権の仲介努力実らず膠着状態に
ガザ停戦交渉、バイデン政権の仲介努力実らず膠着

ガザ地区での停戦を目指す国際的な仲介努力が、新たな局面を迎えている。バイデン米政権が主導する交渉は、ハマスとイスラエルの双方が譲歩を拒否し、膠着状態に陥っている。米国務省高官は10日、記者団に対し「現時点で合意に達する見通しは立っていない」と認め、交渉の難航ぶりを明らかにした。

交渉の経緯と現状

交渉はカタールやエジプトの仲介も得て、数週間にわたって断続的に行われてきた。しかし、ハマスは恒久的な停戦とイスラエル軍の完全撤退を要求する一方、イスラエルはハマスの壊滅と人質全員の解放を優先事項として譲らず、双方の立場は平行線をたどっている。

バイデン政権はこれまでに、段階的な停戦案を提示。まずは6週間の戦闘休止と人質・囚人の交換を行い、その後に恒久的な停戦交渉に入るという内容だが、ハマスは「一時的な停戦ではガザの封鎖が続く」として拒否。イスラエルも「ハマスが再武装するリスクがある」と難色を示している。

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米国の仲介努力と限界

アントニー・ブリンケン米国務長官は、過去数カ月で中東を複数回訪問し、直接交渉を試みてきた。しかし、今回の交渉停滞を受け、同長官は「最終的な合意には双方の妥協が必要だ」と述べ、両陣営に譲歩を促した。米政府関係者によると、バイデン大統領はネタニヤフ・イスラエル首相に対し、民間人の保護と人道支援の拡大を繰り返し要請しているが、目立った進展はない。

一方、ハマスはトルコやカタールの仲介を通じて、中国やロシアにも支援を要請。国際社会の分断が交渉をさらに複雑にしている。専門家は「米国の影響力が中東で低下している証拠だ」と指摘する。

ガザの人道危機

交渉の遅れは、ガザの人道状況をさらに悪化させている。国連によると、ガザの人口の約80%にあたる180万人以上が避難を余儀なくされ、食料や水、医薬品が深刻に不足。世界保健機関(WHO)は「ガザ北部では飢饉が目前に迫っている」と警告する。

ガザ保健当局の発表では、これまでの戦闘で死者は3万5000人を超え、その半数以上が女性と子供だ。イスラエル軍の空爆は今も続いており、10日には南部ラファで少なくとも20人が死亡した。

今後の展望

バイデン政権は、停戦合意を11月の大統領選前に成立させたい意向だが、現状では困難視されている。米国務省は「交渉はまだ終わっていない」と強調するが、具体的な進展は見られない。アラブ諸国からは、米国に対してより強硬な圧力をイスラエルにかけるよう求める声が上がっている。

国際社会の注目は、今週末に予定される国連安全保障理事会の緊急会合に集まる。同会合では、停戦を求める決議案が採決される見通しだが、米国が拒否権を行使する可能性も指摘されている。

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