EVシフト加速で東南アジアの自動車産業地図が激変、日系メーカー岐路に
EVシフトで東南アジア自動車産業地図激変、日系岐路

タイがEV生産拠点に、中国勢が攻勢

東南アジアで電気自動車(EV)シフトが急速に進んでいる。特にタイでは、政府がEV普及に積極的で、2022年から購入補助金や輸入関税引き下げなどの優遇策を実施。これに呼応して、中国の自動車メーカーが相次ぎ進出し、現地生産を開始している。長年、日系メーカーが支配してきた東南アジアの自動車市場は、今、大きな変革期を迎えている。

日系メーカーのシェア低下、戦略転換迫られる

タイ自動車工業会によると、2023年の新車販売に占める日系メーカーのシェアは約78%と、過去10年で最低水準まで低下した。一方、中国系メーカーのシェアは2020年の約1%から2023年には約11%へと急伸。BYDや長城汽車などが格安EVを投入し、市場を席巻している。日系メーカーもEV投入を加速するが、ガソリン車中心のビジネスモデルからの転換は容易ではない。

部品調達網にも変化、新たなサプライチェーン構築へ

EVシフトは部品調達網にも大きな変化をもたらしている。従来のエンジンやトランスミッションに代わり、バッテリーやモーターといった新たな部品が必要となる。タイ政府はバッテリー生産の誘致にも積極的で、中国のCATLや韓国のLGエナジーソリューションなどが工場建設を計画。日系部品メーカーも対応を迫られており、一部はバッテリー関連事業に参入している。

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インドネシアもEV政策強化、資源活用へ

タイに続き、インドネシアもEV政策を強化している。同国は世界最大のニッケル埋蔵量を誇り、バッテリー原料の供給源として注目される。政府はニッケル鉱石の輸出規制と国内での精錬・バッテリー生産を促進。これにより、EVサプライチェーンの一大拠点を目指す。日系メーカーはインドネシアでもEV生産を計画するが、中国勢の攻勢は激しく、競争は激化している。

日系メーカーの生き残り策、協調と差別化が鍵

東南アジア市場で日系メーカーが生き残るには、協調と差別化が鍵となる。トヨタはタイで日野自動車と協業し、商用EVの開発を加速。ホンダは三菱商事と組み、EV向けバッテリーのリユース・リサイクル事業を始める。一方、マツダは独自のロータリーEVを投入し、差別化を図る。各社は従来のガソリン車の強みを生かしつつ、EV時代に対応した戦略を模索している。

今後の展望、市場拡大と競争激化

東南アジアのEV市場は今後も拡大が見込まれる。国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2040年には東南アジアの新車販売に占めるEVの割合が約30%に達する。市場の拡大とともに、中国勢の攻勢はさらに強まり、日系メーカーは厳しい競争にさらされる。一方で、日系メーカーは長年にわたって築いてきたブランド力や販売網、アフターサービスなどの強みを生かし、巻き返しを図る。東南アジアの自動車産業地図は、今後さらに大きく塗り替えられる可能性がある。

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