EVシフトで中国部品依存が深刻化
世界的な電気自動車(EV)シフトの加速に伴い、自動車部品の調達構造が大きく変化している。特に中国製部品への依存度が高まっており、地政学的リスクやサプライチェーンの脆弱性が顕在化している。日本メーカーは調達先の多様化を急ぐ必要に迫られている。
中国製部品の重要性とリスク
EVに不可欠なバッテリーやモーター、パワー半導体など、多くの主要部品で中国メーカーが高いシェアを占めている。例えば、リチウムイオン電池の世界生産の約70%を中国が占めるとされる。こうした状況下で、米中対立や台湾有事などの地政学的リスクが顕在化すれば、部品供給が途絶える可能性がある。
日本メーカーの対応策
トヨタ自動車や日産自動車など日本メーカーは、中国以外の地域からの調達を強化する動きを見せている。トヨタは北米でのバッテリー生産拡大を計画し、日産は欧州部品メーカーとの連携を深めている。しかし、コスト面や品質面での課題もあり、完全な脱中国は難しいのが実情だ。
業界関係者は「中国製部品の品質は向上しており、コスト競争力も高い。しかし、リスク分散の観点から、複数の調達先を確保することが重要だ」と指摘する。
政府の支援策
日本政府もサプライチェーンの強靭化に向けた支援策を打ち出している。経済産業省は、重要物資の国内生産や調達先多様化を支援する補助金制度を創設。自動車部品分野でも、バッテリーや半導体の国内生産拠点整備に補助金を交付している。
一方で、中国市場の重要性も依然として高い。日本メーカーは中国市場向けの生産を継続しながら、リスクを分散するバランスが求められる。
今後の展望
EVシフトがさらに加速すれば、中国製部品への依存はさらに高まる可能性がある。日本メーカーは、技術開発や生産拠点の多様化を進めるとともに、政府と連携したリスク管理体制の構築が不可欠だ。サプライチェーンの強靭化は、日本自動車産業の競争力を左右する重要な課題となっている。



