大阪・関西万博のパビリオンの中で唯一、撤去工事に着手できていなかったチェコ館について、チェコ本国が解体を決定した。昨年10月の閉幕から約9カ月が経過し、ようやく全84館の撤去にめどが立った。在日チェコ大使館によると、先月29日に本国が解体を決めた。移設を含めた手間や費用を検討した結果、再利用は断念したという。
チェコ館の特徴と閉幕後の経緯
チェコ館は参加国が自前で建設する「タイプA」のパビリオンで、伝統工芸のボヘミアンガラスを取り入れたらせん状の構造が特徴だった。会期中には150万人以上が来場し、ボヘミアングラスで満開の桜を表現した作品「もののあはれ」が展示されていた。
当初はチェコ国内や日本国内に移設して再利用する方針だったとみられるが、昨秋のチェコ総選挙で野党が勝利し新政権が発足。この影響で最終判断が先送りされていた。
撤去工事の現状と今後の見通し
日本国際博覧会協会(万博協会)はタイプAの参加国に対し、遅くとも今月中旬までに建物を撤去して敷地を返還するよう求めていたが、チェコ館は唯一、そのまま残っていた。万博協会は2028年2月末までに会場跡地を所有者の大阪市に返却する必要がある。
協会関係者によると、すでに9割のパビリオンが解体されており、チェコが早期に撤去工事に着手すれば、全体の工程に影響は生じない見通し。在日チェコ大使館は「解体に向けて集中的に作業を進めている」としている。
チェコ国内の反応と批判
現地の報道によると、チェコ国内では出展に多額の費用がかかったことに対して批判の声が上がっている。今回の解体決定もそうした背景が影響した可能性がある。



