笹川平和財団上席フェローの小原凡司氏と安全保障ジャーナリストの吉永ケンジ氏が14日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、中国軍が6日に行った潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の太平洋への発射訓練について議論した。
発射訓練の意図をめぐる分析
小原氏は発射訓練の意図について、「中国は戦略原潜を新しく造っており、関連する試験だった可能性がある」と指摘した。一方、吉永氏は米本土を射程に収める新型ミサイルが使われた可能性を念頭に、「仮に米国と軍事衝突しても、南シナ海から攻撃できることを示したかった」と述べた。
背景と戦略的意義
中国は近年、戦略原子力潜水艦(SSBN)の近代化を進めており、新型のSLBMであるJL-3(巨浪3)の配備が進んでいるとされる。JL-3は射程が約10,000キロメートルとされ、南シナ海から米本土を射程に収めるとみられる。今回の発射訓練は、こうした能力の実証である可能性が高い。
小原氏は「中国は核戦力の信頼性向上を目指しており、SLBMの発射試験はその一環」と解説。吉永氏は「米国との緊張が高まる中、中国は抑止力を強化するメッセージを送っている」と分析した。
専門家の見解
両氏はさらに、中国の軍事戦略全体におけるSLBMの役割について議論。吉永氏は「中国は米国のミサイル防衛網を突破するため、複数の弾頭搭載や高機動軌道などの技術開発を進めている」と指摘。小原氏は「中国の核戦力はまだ米露に比べ規模は小さいが、質的向上が著しい」と述べた。
今回の訓練は、中国が太平洋での軍事プレゼンスを強化する中で実施された。専門家は、今後の中国の核戦力の動向が国際安全保障に与える影響を注視する必要があるとしている。



