中国は「抗日戦争勝利記念日」を迎えた3日、「日本の新型軍国主義が世界に危害を及ぼすことを断固押さえ込む」(外務省の郭嘉昆報道官)と改めて対日批判を展開した。昨年11月の高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁からまもなく10カ月となるが、中国政府の硬化した対日姿勢に大きな変化は見られない。
政府間対話の扉は閉ざされたまま
中国政府は、日本との政府間対話に応じない姿勢を崩していない。今年7月には茂木敏充外相がフィリピンで、中国の王毅外相と短時間接触したと説明したが、中国外務省報道官が「現場での短いやり取りもなかった」と完全否定する事態が起きた。日中外交筋は「中国が何でそこまで頑固なのか率直に言ってよく分からない」と困惑する。
中国共産党の対外交流部門、中央対外連絡部の陸慷(りくこう)副部長は8月27日、中道改革連合の伊佐進一広報委員長らと会談した際、台湾有事を巡る国会答弁に関する認識が変わらない限り、中国政府が「(対日)政策を変えるつもりはない」と述べ答弁撤回を求めた。
日本企業への圧力も継続
中国政府は、答弁撤回に向け日本企業にも圧力をかけている。日本へのレアアース(希土類)の輸出量は低水準が続き、中国に進出する日本企業でつくる「中国日本商会」によるとレアアースを含む幅広い貨物で税関での手続きが長期化している。5月には中国・大連で富士電機グループの日本人社員2人が「国家輸出入禁止貨物密輸罪」の疑いで拘束された。
首脳会談の実現も見通せず
日本政府は、11月に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた日中首脳会談を模索するが、中国側の態度はかたくなだ。現時点で日中関係の改善どころか、首脳会談の実現も見通せないのが現状だ。



