ブラジルのジャイル・ボルソナロ前大統領の妻ミシェリ・ボルソナロ氏(44)は25日、継子で長男のフラビオ・ボルソナロ氏(45)から電話で「非常に無礼な態度」を受けたと非難した。両者はともに極右政党・自由党(PL)に所属するが、10月の大統領選に向けた候補者選定をめぐって長期間対立してきた。フラビオ氏は自由党の大統領候補に選出されている。
ミシェリ氏の告発とフラビオ氏の反論
ミシェリ氏は24日、インスタグラムに投稿した動画で、フラビオ氏から電話があり「非常に無礼な態度をとられた」と主張。一方、フラビオ氏はX(旧ツイッター)で「私はこれまでの人生で、女性を軽視したり、虐げたり、侮辱したりしたことは一度もない。ましてや父親の妻である女性に対してそのようなことをするはずがない」と反論し、疑惑を全面的に否定した。
自由党内の権力闘争と大統領選への影響
ボルソナロ前大統領(69)は2019年から2023年まで大統領を務めたが、2022年大統領選での敗北後にクーデターを画策した罪などで禁錮27年3月の判決を言い渡され、現在自宅軟禁中。その後、党内の一部派閥からはミシェリ氏を大統領候補に推す声が上がったが、昨年12月、ボルソナロ前大統領の後押しによりフラビオ氏が自由党の大統領候補に選出された。ミシェリ氏は自由党女性局の局長を務め、保守派集会で定期的に演説する極右勢力の寵児でもある。
しかしフラビオ氏は、数百万ドル規模の詐欺スキームへの関与が疑われるスキャンダルで支持を失い、世論調査では現職のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領にリードを許している。ミシェリ氏とフラビオ氏の対立は、自由党内の権力闘争をさらに激化させ、大統領選に向けた党の結束に深刻な亀裂をもたらす可能性がある。
過去の確執と和解の試み
フラビオ氏は昨年、ミシェリ氏を「権威主義的だ」と非難していたが、後に和解したと述べていた。しかし今回の事件で再び対立が表面化し、両者の関係修復は困難を極めている。ボルソナロ前大統領の政治的遺産を継ぐと目される自由党だが、内紛が続けば、10月の大統領選でルラ大統領に対抗するのは難しくなるだろう。



