オーストラリア政府がIT大手に対して、報道機関のニュース記事使用への対価支払いを実質義務化する法律の導入に動き始めた。グーグルなどのプラットフォーマーと報道機関の対価をめぐる攻防は、長年続いている。
グーグルは、主力サービスの検索結果の表示の一部に、報道機関の記事のリンクを利用している。メタは、フェイスブックやインスタグラムで、記事のリンクを含んだ投稿をやりとりできるようにしている。
IT大手が自社サービスの充実にニュース記事を活用しながら対価を支払わないことに、報道機関は不満を抱いてきた。
カナダの先行事例
オーストラリアが21年に、報道機関との商業契約の交渉をIT大手に義務づける法規を導入した後、追随したのがカナダだ。
カナダは23年、「オンラインニュース法」を施行。グーグルやメタなどの巨大IT企業に対し、報道機関に正当な対価を支払うよう求めた。報道機関側がIT企業と団体交渉することを認め、合意できない場合は当局の監督による仲裁手続きに入るよう義務づけた。
各社の対応は分かれている。グーグルは24年に、年1億カナダドル(約115億円)をジャーナリズムの基金に拠出することを約束。カナダ政府はこれと引き換えに、オンラインニュース法の適用除外を認める方針を発表した。一方で、メタはカナダでのニュースの提供を停止している。
ビジネスモデルの違い
対応の差には、ビジネスモデルの違いがある。グーグルの主力事業は検索広告で、検索結果の品質を維持するうえで、報道機関のリアルタイムの情報が必要になる。メタのSNSは、利用者が投稿する画像や動画などがサービスの中心で、ニュース記事への依存度は低い。
カナダと同様の法案は、南アフリカやブラジルなど新興国でも検討されたが、実現したのはインドネシアなど一部にとどまる。
生成AIが新たな焦点に
IT大手と報道機関の間で新たな焦点となっているのが、生成AIの普及だ。グーグルは24年、検索結果…



