オーストラリアで地方紙の廃刊が相次ぎ、約20年で300紙近くが姿を消した。背景にはIT大手によるニュースの「ただ乗り」があるとされ、地元ニュースを扱う地方紙が存在しない「ニュース砂漠」が広がっている。政府はメディア支援に乗り出した。
地方紙の現状
メルボルンから東に列車で約4時間のギップスランド地方セールにある1861年創刊の「ギップスランド・タイムス」では、記者兼編集者のデイビッド・ブレイスウェイトさん(43)が働く。約20年前に20人いた社員は6人に減り、記者は3人だけ。日本の四国ほどの面積を3人で分担する。
発行は週2回から1回に減り、社員一人の仕事は増えた。ブレイスウェイトさんは以前は取材と執筆だけだったが、今はレイアウトやウェブ配信も担う。
使命感と不安
「トランプ米大統領の発言よりも、読者は地元で起きていることを知りたがっている。我々が書かないと、誰にも伝わらない」とブレイスウェイトさんは話す。50ページの紙面は地域の話題で埋め尽くされているが、将来への不安は尽きない。
「大手の経営はまだ良い方だ。地方紙の経営は不安定で、地方紙の記者を目指す人材は、じきにいなくなるだろう」と語る。



