タイ王国のマハ・ワチラロンコン国王(73)の長女であるパッチャラキティヤパー王女が死去した。47歳だった。タイ王室庁が12日に発表した。王女は2022年12月に突然の体調不良で倒れて以来、3年以上にわたって入院を続けていた。
死因と経過
王室庁の声明によると、王女は腹部感染症を患い「容体が悪化し続けていた」が、11日夜に「安らかに息を引き取った」という。遺体は首都バンコクの王宮に安置され、葬儀は「王室の伝統に従い、最高の栄誉をもって」執り行われる予定。
王女はタイ国内で「パー王女」の愛称で親しまれ、国王と最初の妻との間に生まれた唯一の子ども。2022年12月に倒れて以来、長期の入院生活を送っていた。王室庁は5月、王女の容体が悪化し、薬に加えて肺や腎臓の機能をサポートする医療機器に依存している状態だと公表していた。
経歴と活動
パッチャラキティヤパー王女は検察官や外交官としての訓練を受け、英国、タイ、米国で教育を積んだ。米コーネル大学で法学の学位を取得し、タイの駐オーストリア大使を務めた経験もある。コーネル大学の広報誌「コーネル・クロニクル」によると、2012年に同大学ロースクールを訪問した際、学生たちに自身のキャリアについて「私は今、自問自答している。私は一体何者なのだろう? 検察官なのか? 刑事弁護士なのか? 外交官なのか? その答えは、それらすべてが合わさったものだ。私は『ハイブリッド』だということだ」と語っていた。
また、国連で複数の要職を歴任し、受刑者の待遇改善を含む女性の権利擁護活動にも積極的に取り組んだ。王室が社会の頂点に立つタイにおいて、王女は重要な儀礼的役割を担い、国民から広く敬愛されていた。
国王との関係と王位継承
父親である国王とは近い関係にあり、入院する1年前には国王警護隊の幹部に任命されていた。国王は4度の結婚で7人の子どもを持つが、後継者は指名していない。タイの王位継承ルールでは男性が優先されるため、王女の死去が王位継承にどのような影響を与えるかは不明。



