金杉憲治・駐中国大使は17日、北京で開かれた意見交換会で、中国当局によるデュアルユース(軍民両用)品目の輸出審査・取り締まり強化を踏まえ、日本企業に対し、当局から疑いを持たれた場合には大使館などに相談するよう注意を促した。
デュアルユース輸出を巡る環境変化
この意見交換会には、中国各地の日本の在外公館や商工会の幹部ら約200人が参加した。金杉大使は「デュアルユース品目の日本への輸出を巡り、審査や取り締まりが強化されている」と指摘。企業側に最新の状況を踏まえた慎重な対応を求めた。
背景には、今年5月に中国遼寧省大連で、重電大手・富士電機の関係者ら日本人2人が、レアアース(希土類)の輸出を巡る「国家輸出入禁止貨物密輸」容疑で拘束され、6月に正式逮捕された事件がある。金杉大使は、こうした事案に巻き込まれないよう、企業に対して具体的な注意喚起を行った。
日中関係の現状と大使の見解
金杉大使は、現在の日中関係について「非常に厳しい局面にある」と述べ、その上で「少しでも安定した軌道に乗るよう取り組みたい」と強調。両国関係の安定化に向けた決意を示した。
また、中国に進出する日系企業で組織する経済団体「中国日本商会」の本間哲朗会長は、日本人2人の逮捕について「非常に残念だ」とコメント。中国当局に対して公正で公平な司法手続きを求める考えを明らかにした。
今後の展望と企業への影響
デュアルユース品目を巡る規制強化は、中国で事業を展開する日本企業にとって新たなリスク要因となっている。金杉大使は、大使館が相談窓口として機能することを強調し、企業が適切な対応を取れるよう支援する姿勢を示した。
中国当局の取り締まりが今後さらに厳格化される可能性もあり、日系企業は輸出関連の法令遵守を一層徹底する必要がある。中国日本商会も、会員企業への情報提供や当局への働きかけを強化する方針だ。



