中国原発の施工ミスが200件超、規制当局が技術能力不足を指摘
中国の原子力発電所建設において、施工ミスが相次いでいる実態が明らかになった。共同通信が入手した中国規制当局の報告書によると、2011年から2024年までの間に、ずさんな工事や設備の欠陥などが少なくとも200件以上確認されている。当局は技術面での「能力不足」を指摘し、業界に対して安全対策の強化を指示していた。
世界初の次世代原発でも設計問題
報告書では、世界初の次世代原発とされる施設においても、配管の設計に問題が見つかったことが記されている。この事態を受け、中国の国家核安全局は業界全体に対し、安全意識の向上と技術力の強化を求める文書を発出した。
具体的な事例として、2013年2月には紅沿河原発(遼寧省)で、原子炉の冷却に使用する補助給水タンクに異常な変形が発見された。調査の結果、設計図通りに作業が行われていなかったことが判明し、当局は「安全意識の欠如が原因」として厳しく非難している。
急速な拡大と安全意識の乖離
中国政府は2011年の東京電力福島第一原発事故を受けて、一時的に原発の新設承認を凍結した。しかし、2012年には新規原発の着工が再開され、現在では2030年までに原発の発電能力が世界一になると予測されている。
このような急速な発展の一方で、施工ミスの多発は安全意識の低さを浮き彫りにしており、業界関係者からは懸念の声が上がっている。日本の原発専門家は「常識では考えられないミスが多く、件数も膨大だ。気付かずに運転を続ければ、深刻な事故を引き起こす可能性がある」と指摘した。
規制当局の対応と今後の課題
国家核安全局は、施工ミスの原因として以下の点を挙げている:
- 技術者や作業員の能力不足
- 設計図の正確な遵守の欠如
- 安全意識の希薄化
当局はこれらの問題に対処するため、業界に対して定期的な監査の実施と改善措置の報告を義務付けるなど、規制の強化を進めている。しかし、原発建設のペースが加速する中で、安全対策が追いついていない現状が課題として残されている。
中国の原子力産業は、エネルギー需要の高まりを受けて拡大を続けているが、今回明らかになった施工ミスの多発は、その成長過程におけるリスクを鮮明に示している。今後の動向に注目が集まっている。



