RAVIPAの新井亨社長は、著書『トップ1%の富裕層が子どもに伝える 世界一のお金の教育』(KADOKAWA)の中で、本当に資産を築いている人ほど生活は地味であり、その背景には富裕層が何十年、何世代にもわたって徹底している考え方があると指摘する。
SNSにあふれる「成功者」の虚像
近年、SNSには「成功者」を名乗る人々の情報が溢れている。高級車、海外旅行、豪華レストラン、ブランド品に囲まれた生活――しかし、新井氏によれば、これらの投稿は必ずしも真実ではない。写真の撮り方や切り取る瞬間によって、実際よりも成功しているように見せかけることは容易であり、高級車の写真が本人のものとは限らず、高級ホテルの宿泊や豪華な食事も転載である可能性があるという。
華僑の家庭教育では、「成金的な見せ方をする人とは距離を置け」と教えられる。その理由は、お金を見せびらかす人は本当のお金持ちではないと考えられているからだ。派手な生活をSNSで見せる人ほど、むしろ信用されず、その行動の裏には「満たされない心」やコンプレックスがあると見なされる。自分の価値を証明するため、あるいは見栄を満たすためにお金を使う人は、資産を守ることができないと判断される。
本当のお金持ちの3条件
華僑の家庭では、「本当のお金持ちを見極めなさい」と教え、その条件として3つの能力を挙げる。すなわち、「お金を稼ぐ力」「お金を守る力」「お金を増やす力」である。この3つが揃って初めて、本物のお金持ちと呼ばれる。
株式、不動産、事業など、長期的に価値を生み続ける資産を持つ人々は、わざわざSNSで自分の生活を見せびらかす必要がない。本当に資産を築いている人ほど生活は意外なほど地味で、無駄な浪費をせず、資産を守り、長期的な視点で増やしていく。
一方、日本では「派手な成功」に憧れる人が少なくない。特に若い人や子どもは、SNSで見える派手な成功に影響を受けやすい。高級車やブランド品、豪華な生活を見ると、それが本当の成功の姿のように感じてしまう。しかし、実際にはそうした生活を見せている人の多くは資産形成ができておらず、収入が止まった瞬間に生活が不安定になる危険性をはらんでいる。
「学び」とは知識を増やすことではない
新井氏は、ビジネスの現場で重要な力についても言及している。単に知識を増やすことではなく、実践を通じて得られる経験や判断力が重要だと説く。富裕層の教育では、理論だけでなく、実際のお金の扱いや投資判断を子どもに経験させることが重視される。
華僑のコミュニティでは、見せびらかすような消費行動は信用を損ない、ビジネスパートナーとしても敬遠される。したがって、本当の成功を目指すなら、SNS上の虚像に惑わされず、地味でも着実に資産を築く姿勢が求められる。



