世界的な投資家として知られるジム・ロジャース氏が、日本株と為替相場の現状について鋭い分析を披露した。同氏は「私は日本株を早く売りすぎた」と述べ、さらなる上昇の可能性を認める一方、歴史的な円安の背景にある日本経済の構造的な問題に警鐘を鳴らしている。
日本株急騰の背景にある「イージーマネー」
河北氏との対談で、ロジャース氏はまず日本経済の長期的な見通しについて厳しい見方を示した。「日本という国は大好きだが、データを冷徹に見れば、非常に悪い状態にある。15年以上にわたる少子化と人口減少、財政赤字と国債の雪だるま式拡大が続いており、長期的な見通しは極めて厳しい(ベア)と言わざるを得ない」と語った。
しかし、株価が爆発的に上昇している理由について、ロジャース氏は「現在の日本市場には大量の『イージーマネー(緩和マネー)』があふれているからだ。構造的な問題を抱える国でも、お札が大量に刷られ市場に流動性があれば、一時的に相場が実態以上に押し上げられる。短期的には過剰な流動性によって『お祭り騒ぎ』のような状態が作り出されている」と説明した。
歴史的円安と資産価値の実質的な目減り
為替相場が1ドル=162円台と1980年代半ば以来の円安水準にあることについて、ロジャース氏は「日本円自体の価値が下がっているため、日本株で利益を出しても外貨ベースでの実質的な資産価値は目減りする」と指摘。その上で「賢明な投資家は、日本株に投資すると同時に、米ドルなどへの『通貨ヘッジ』を組み合わせるか、資産の一部を外貨に逃がす対策を必ず講じる必要がある」と強調した。
河北氏は「このヘッジの視点を持たなければ、本当の意味で資産を守ることはできない」と応じた。
金や銀の価格下落と今後の見通し
ロジャース氏はまた、金や銀の価格が足元で下落している理由についても言及。詳細な分析は次ページに続くが、同氏は資源価格と通貨の関係性についても独自の見解を示している。
同氏は「長期的に見れば、今の若い世代や将来の子供たちにとって厳しい未来が待っていることは避けられない」と警告。しかし、短期的な市場の動きに対しては「日本株のさらなる上昇余地はある」とし、投資家に対してバランスの取れた戦略を求めている。



