日経平均は6月16日に7万円に到達し、2026年前半は記録ずくめとなった。しかし、ケイ・アセット代表でマーケットアナリストの平野憲一氏は、後半以降の相場について「上昇トレンドは継続するが、そのスピードは鈍る」と予想する。その根拠として3つの視点を挙げている。
AI相場の変質:選別の極端化
2つ目の視点はAI相場だ。AIは産業革命であり、その未来は計り知れず、長期にわたって発展するだろう。「小回り三月、大回り三年」と言われる株式市場の尺度では、時間軸が長すぎて投資判断は難しい。
しかし、あえて流れを区切ると、「23年ごろ~直近の26年半ば」は生成AIの登場からChatGPT公開などを経て、世界がAIの実用性を認識し、NVIDIAなどの株が爆騰した。データセンター建設ラッシュや企業のAI導入により、人気は収益化できる企業に集中した。直近急騰したイビデンのPER(株価収益率)はすでに100倍を超え、村田製作所のPERも20倍台から68倍台に上昇するなど、AI銘柄のPERは株価とともに急騰し、「現在」をかなり織り込んだと言える。
「2026年後半〜30年以降」は、AIが当たり前になる実装社会となり、OSのように社会インフラ化する。企業のAI投資は通常の「設備投資」扱いになると考えられる。平野氏は「27年はAIソフトの供給会社の本格収益化時代が来る」と見ており、そのバロメーターとしてAIソフト企業・アドソル日進の株価を注目している。同社は電力設備の劣化予測AI、スマートメーターのデータ解析AI、交通インフラの異常検知AIなど、社会インフラ全般に関わっているからだ。
一方、26年後半は銘柄の選別が極端に進む。日によっては「日経平均プラス寄与度1位」と「同マイナス寄与度1位」が同じAI関連ということもあり得る。少なくとも今までのように問答無用で日経平均を引き上げる力は、後半相場にはないと見られる。
3つ目の視点とは
平野氏はさらに3つ目の視点として、マクロ経済や金融政策の変化を挙げている。詳細は次ページで解説されるが、総じて2026年後半の日本株は上昇トレンドを維持するものの、そのペースは鈍化し、銘柄ごとのパフォーマンス差が拡大する見通しだ。



