「食べない時間」が鍵!医学部教授が実証した時間制限ファスティングの効果
「食べない時間」が鍵!時間制限ファスティングの効果

米国シンシナティ大学医学部教授の佐々木敦朗氏は、著書『3日で変わる からだが目覚める「食べない力」』(講談社)の中で、食事時間を調整する「時間制限ファスティング(TRF)」が体重や血糖値の改善に極めて有効だと述べている。同氏は、夜勤や交代勤務による体内時計の乱れが健康やメンタルに悪影響を及ぼす研究結果を引用し、その予防策として食事サイクルの調整が効果的だと指摘する。

24時間食べられる状態が招くリスク

佐々木教授によれば、ファスティングは時差ボケ解消だけでなく、日常の体内時計調整にも役立つ。特に注目されるのが、16時間の絶食を含む「時間制限ファスティング」だ。動物実験では、マウスに高脂肪食を24時間自由に摂取させると夜間の摂食リズムが乱れ、肥満や糖尿病が発生しやすくなった。しかし、摂取可能時間を1日8~10時間に制限すると、総カロリーが同じでも体重増加や血糖異常が劇的に抑制された。この時、肝臓の時計遺伝子リズムや代謝リズムが維持されていたという(Hatori et al., 2012, Cell Metabolism)。

ヒトでも確認された代謝改善効果

ヒトを対象とした研究でも、時間制限ファスティングの有効性が示されている。朝から昼に食事を寄せ、夕食を早める「早朝型時間制限ファスティング」では、インスリン抵抗性の改善や血圧低下といった代謝上のメリットが報告された。また、夜勤者を想定した研究では、食事を日中に制限することで血糖値の悪化や気分の落ち込みといった体内時計の乱れによる弊害を防げることが確認されている(Sutton et al., 2018, Cell Metabolism; Chellappa et al., 2021, Science Advances)。

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「時間制限ダイエット」の科学的根拠

時間制限ファスティングは、肥満解消効果から「時間制限ダイエット」とも呼ばれ、複数の研究データを統合したメタアナリシスでも、体重や体脂肪の減少、代謝指標の改善が支持されている(Moon et al., 2020, Nutrients)。「食べない時間」を確保することで、グリコーゲン由来の糖だけでなく、脂肪から生成されるケトン体もエネルギー源として利用され、体重減少や血糖値改善に寄与する。さらに、細胞内の老廃物を除去・修復するオートファジーの働きも高まる。

体内時計のリセットと生活への応用

佐々木教授は、時間制限ファスティングを「夜間にお店を閉めて掃除するようなもの」と例え、翌朝のスムーズな活動につながると説明する。食べる時間を整えることで体内時計の「リズム合わせ」が容易になり、生活スタイルを大きく変えずに始められるため、ファスティングの入り口として最適だと述べている。

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