地方大学発スタートアップの事業成長を阻む3つの共通要因とは(前編)
地方大学発スタートアップの成長阻害要因(前編)

東洋経済の連載「週刊『すごいベンチャー』」では、地方大学発のスタートアップの現状を分析し、事業成長を阻む共通要因を探る。前編となる本記事では、岐阜薬科大学を例に、創薬・ヘルステック領域の技術シーズと、成長を妨げる要因を考察する。

岐阜薬科大学の技術シーズと地域連携

岐阜薬科大学は岐阜大学に隣接する本部キャンパスを持ち、両大学は大学院連合創薬医療情報研究科を設置している。同大学が有する技術シーズの一つが、pH応答性高分子ミセルである。これは正常な細胞を傷つけず、がん組織などの患部特有の環境下でのみ薬物を放出する次世代医療技術で、創薬・ヘルステック領域の中核をなす。

このような技術はスタートアップの基盤となり得るが、事業化には多くの障壁がある。記事では、地方大学発スタートアップに共通する3つの阻害要因を挙げている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

阻害要因1:資金調達の困難さ

第一に、資金調達の難しさが挙げられる。地方大学発のスタートアップは、首都圏の企業と比べてベンチャーキャピタル(VC)からの投資を受けにくい傾向にある。特に創薬分野では研究開発に長期間と多額の資金が必要であり、初期段階での資金不足が成長の足かせとなる。

阻害要因2:人材確保の課題

第二に、専門人材の確保が困難である。地方では、研究開発や事業化を担う人材の絶対数が少なく、特に高度な知識を持つ人材を引きつけるのが難しい。大学の研究成果を事業化できる人材の不足が、スタートアップの成長を制限している。

阻害要因3:産学連携の不足

第三に、産学連携の不足が挙げられる。大学と地域企業との連携が十分でない場合、技術の事業化や市場開拓が進みにくい。岐阜薬科大学と岐阜大学の連合大学院のような取り組みはあるが、さらに実業界との橋渡しが必要とされる。

これらの要因を克服するためには、地域のエコシステム強化や、政府・自治体による支援が不可欠である。後編では、具体的な成功事例と克服策を探る。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ