千葉県柏市の「柏たなか病院」で、入院患者の男性(当時75歳)が点滴チューブに排せつ物を混入され死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された元看護師古川美由紀容疑者(51)の看護服に付着した排せつ物の細菌と、男性の血液から検出された細菌の遺伝子情報が一致したことが、捜査関係者への取材で明らかになった。県警は、古川容疑者が男性に不満を抱いていたとみて、動機の解明を進めている。
細菌の遺伝子一致が決め手
捜査関係者によると、古川容疑者の看護服に付着していた排せつ物の細菌と、点滴器具から検出された細菌の遺伝子情報が、男性の血液から検出された細菌のものと完全に一致した。この科学的証拠が、古川容疑者と事件との関わりを強く示すものとなっている。古川容疑者は容疑を否認しているが、県警はこの遺伝子情報を重要な物的証拠と位置づけている。
おむつ替えを巡るトラブル
事件前、男性と古川容疑者の間で、おむつ替えなどの看護を巡ってトラブルが発生していたことも新たに判明した。男性は病院側に対し、「担当者を替えてほしい」という趣旨の訴えをしていたという。また、古川容疑者も周囲に男性に対する不満を漏らしていたことが確認されており、県警はこれが犯行の動機につながった可能性を視野に捜査を進めている。
事件当日の状況
病院の説明によると、古川容疑者は夜間当直勤務で男性を担当することがあったが、事件当日は同僚の准看護師が担当だった。しかし、准看護師は古川容疑者が男性の病室に複数回出入りするのを目撃しており、防犯カメラにもその様子が映っていた。古川容疑者は准看護師に対し、「男性の病状が心配で病室に立ち寄った」と説明していたという。県警は、古川容疑者が院内の「汚物室」から排せつ物を持ち出し、注射器を使って点滴チューブに注入したとみている。
スマートフォンでの検索履歴
さらに、古川容疑者はスマートフォンで「便を注入すると人が死ぬかどうか」を検索していたことも判明している。この検索履歴は、事件の計画性を示すものとして注目されている。県警は、古川容疑者の行動の詳細をさらに調べるとともに、病院側の管理体制についても検証を進める方針だ。



