ソフトバンクG、AI特化ファンド設立へ 中東マネー活用で最大1兆円規模
ソフトバンクG、AI特化ファンド設立へ 中東マネー活用で最大1兆円

ソフトバンクグループ(SBG)が、人工知能(AI)に特化した新たな投資ファンドを設立する方向で調整していることが、複数の関係者への取材で明らかになった。中東の政府系ファンドなどから資金を調達し、最大で1兆円規模となる可能性がある。SBGは既に、ビジョン・ファンドを通じてAI関連企業に積極投資してきたが、新ファンドではさらに特化した投資を行う見通しだ。

SBG、AI特化ファンド設立へ 中東マネー活用で最大1兆円規模

ソフトバンクグループ(SBG)が、人工知能(AI)に特化した新たな投資ファンドを設立する方向で調整していることが、複数の関係者への取材で明らかになった。中東の政府系ファンドなどから資金を調達し、最大で1兆円規模となる可能性がある。SBGは既に、ビジョン・ファンドを通じてAI関連企業に積極投資してきたが、新ファンドではさらに特化した投資を行う見通しだ。

背景と狙い

SBGはこれまで、ビジョン・ファンド(第1号・第2号)を通じて、AIやテクノロジー関連のスタートアップに巨額の投資を行ってきた。しかし、ビジョン・ファンドの投資対象は多岐にわたり、AIに特化したものではなかった。新ファンドは、生成AIや機械学習、ロボティクスなど、AIの各分野に特化して投資を行うことで、より高いリターンを狙う。

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また、中東の政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)は、石油依存からの脱却を図るため、テクノロジー分野への投資を積極化している。SBGは、アブダビ投資庁(ADIA)やムバダラ投資公社など、中東の主要ファンドとの関係を強化しており、新ファンドへの出資を呼びかける方針だ。

規模とスケジュール

新ファンドの規模は、最大で1兆円(約100億ドル)を見込む。これは、ビジョン・ファンド第1号(約10兆円)には及ばないものの、AI特化ファンドとしては過去最大級となる。SBGは、2024年中にファンドを設立し、2025年から投資を開始することを目指している。

SBGの孫正義会長兼社長は、これまでもAIの可能性について繰り返し言及してきた。2023年の決算説明会では「AIの進化は人類史上最大の革命だ」と述べ、AI関連企業への投資を拡大する意向を示していた。

先行する競合

AI特化ファンドの設立は、SBGだけでなく、他の大手投資ファンドも同様の動きを見せている。例えば、米国の大手ベンチャーキャピタルであるアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は、AI関連スタートアップに特化したファンドを運用している。また、マイクロソフトやグーグルなどの大手テクノロジー企業も、AI分野への投資を積極化している。

SBGは、ビジョン・ファンドで培ったネットワークと、中東マネーを活用することで、競合との差別化を図る。特に、中東の政府系ファンドは長期的な視点での投資が可能であり、SBGにとっては安定した資金源となる。

課題とリスク

一方で、新ファンドには課題もある。AI分野への投資は近年急増しており、適切な投資先を見つけることが難しくなっている。また、AIスタートアップのバリュエーション(企業価値評価)が高騰しており、投資リスクも高まっている。

さらに、SBG自身の財務状況も課題だ。ビジョン・ファンドの投資先であるウィーワークやウーバーなどが苦戦し、SBGの業績に影響を与えた。新ファンドでは、より厳格な投資基準を設ける必要がある。

それでも、SBGはAIの可能性に大きく賭ける方針だ。孫正義氏は「AIは今後10年で世界のGDPを10%以上押し上げる」と予測しており、その成長を取り込むために新ファンドを設立する。

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