サンバイオの脳再生薬アクーゴ、発売後の課題と米国事業の進捗
サンバイオの脳再生薬アクーゴ、発売後の課題と米国事業の進捗

創薬ベンチャーのサンバイオが開発した脳疾患細胞治療薬「アクーゴ」が5月、国内の外傷性脳損傷(TBI)向けで薬価収載を経て正式に発売された。病院の審査等を経て8月以降に出荷となる。2024年の承認に続く世界初の快挙であり、創業から25年をかけて「脳再生」医療に挑んだ同社の歴史的偉業といえる。

株価下落と「超低飛行」予測

一方で同社の株価は急落後、低迷を続ける。5月13日、中央社会保険医療協議会(中医協)で「アクーゴ」の高薬価(7271万円)での収載が了承された。日本で創製された再生医療等製品では最高の価格だ。株価上昇が期待されたが、翌日から下落を続け、6月26日の底値までに5月13日高値からほぼ3分の2を失った。

株価下落の大きな要因は、5月13日に会社が示した「アクーゴ」国内TBIの市場予測にある。10年後(2036年度)のピーク時でも売上高28億円、患者数39人という「超低飛行」予想だ。

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国内市場の潜在規模と今後の戦略

「アクーゴ」が使われる慢性期TBIの国内患者数は推定で約6万人。サンバイオの束原直樹常務執行役員は今年3月下旬の26年1月期決算説明会で、「後遺症の残る約1万2000人の患者のうち、約3分の1が治療対象になりうる」と発言した。これだと約4000人が潜在市場規模となる。

アメリカのTBI、国内の脳梗塞市場を開拓する同社の成長戦略を考えれば、研究開発費は来期以降も拡大が濃厚だ。大幅赤字がまだ続く見通しで、投資家の失望売りも相まって株価は戻りが鈍い。

米国事業の進捗がカギ

同社の成長戦略のカギを握るアメリカ事業で進捗があり、今後の展開が注目される。世界初の「脳再生」薬がサンバイオにどんな変化をもたらすのか、米国事業の成否が焦点となる。

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