6月26日、講談社が福岡発の異色ベンチャー企業「グリーンカード」に出資したことを発表した。出資額や持ち株比率は非開示だが、今年5月に実行された。グリーンカードは福岡市中央区に本社を置き、従業員数わずか11名。しかし、その構想力は日本のサッカーを草の根から変革しようとするものだ。
吉田麻也選手も資本参加
グリーンカードには、日本代表キャプテン経験者の吉田麻也選手(LAギャラクシー所属)も資本参加している。同社は、地域のサッカークラブやチーム向けに、運営管理システムやスポンサー獲得支援を提供。特に、「グリーンカードモデル」と呼ばれる独自の仕組みで、チームとスポンサーをマッチングし、広告収入を分配する。
出発点は一人の父親が感じた不便
創業者の野崎慎也氏は、自身がサッカー少年の父親だった経験から、チーム運営の煩雑さやスポンサー獲得の難しさを痛感。2018年にグリーンカードを立ち上げた。現在、全国約300チームが同社のシステムを利用している。
次の目標は「選手ID」システムの開発
グリーンカードは、各選手にユニークなIDを付与し、試合出場記録や統計データを一元管理するシステムを開発中。これにより、スカウトや移籍市場の効率化、さらには選手のキャリア形成支援を目指す。講談社の出資は、このシステムの開発加速と普及を狙う。
「講談社の持つ出版・メディアネットワークを活用し、サッカー文化の裾野を広げたい」と野崎氏は語る。講談社も「スポーツと出版の新たな融合を図る」とコメントしている。
広がる「グリーンカードモデル」
同社の主力サービスは、チームがグリーンカードのプラットフォームに登録すると、地域企業がスポンサーとして広告を出稿し、その収益がチームに還元される仕組み。これまでスポンサーがつきにくかった低年齢層のチームも、収入源を確保できるようになった。
「すべてのチームにスポンサーをつける」が野崎氏の目標。現在、月間で約500万円の広告収入がチームに分配されているという。
講談社と組む狙いとは?
講談社は、出版で培ったコンテンツ制作力とブランド力を生かし、グリーンカードのサービス向上に貢献する。具体的には、選手IDシステムのデータを活用したデジタルコンテンツの開発や、サッカー関連書籍・雑誌との連携が検討されている。
「日本のサッカーの底上げには、データとメディアの力が必要だ」と講談社の担当者は語る。両社の協業は、アマチュアサッカーの情報インフラ整備を加速させるだろう。



