経済産業省は7月16日、フィジカルAI向けの国産マルチモーダル基盤モデルの構築を目指すプロジェクト「FRONTia Project」をスタートさせた。国内44社が共同出資するAI開発企業Noetraと、産業総合研究所(産総研)を中核とし、2030年までの「実世界ネイティブAI」実現を目標に掲げる。
キックオフイベントにファンCEOら登壇
同日開催されたキックオフイベントには、経済産業大臣のほか、NVIDIAのジェンスン・ファンCEO、NEDO、産総研、Noetra、そして出資企業のトップらが登壇。イベント冒頭で挨拶した経産大臣は、ファンCEOへの謝辞の念を表現したいと「ギャル」風で登場。「ビッグデータ×AIでの我が国最大の勝ち筋は超高度情報社会、災害大国であること。そこにビッグデータがある。ピンチのように見えてそこにチャンスがある」と述べた。
経産大臣「技術で勝ってビジネスで負ける」からの脱却
経産大臣は「世界一の製造業の現場、高齢者のヘルスケア、災害対応、製造現場の人手不足を補う取り組み、復興第一原発の廃炉などの社会課題を、それぞれの現場データや実世界で作用するフィジカルAIを活用して解決することが重要」と指摘。「技術で勝ってビジネスで負けると過去言われてきた我が国だが、技術で勝ってビジネスでも勝ち切るを目指して、全力を尽くしていきたい」と意気込みを示した。
ファンCEO「日本は『ジャパンAI』を構築すべき」
また、登壇したファンCEOは「日本の産業の専門知識はその国の宝です。メイド・イン・ジャパンとは、最高の品質、最高の精度を意味します。匠、カイゼン、カンバン、ゲンバ。日本は長年にわたり、産業知識を生活様式に変えてきました。その知識は造船所、工場、道路、病院、ネットワークに生きています。それらを運用している人々は、その知識を失ってはいけません。日本は国家の知性をアウトソースすることはできません。日本はジャパンAIを所有し、改善し、守り、展開しなければなりません。これを可能にする技術がついに登場しました。それがフィジカルAIです。次の産業革命の基盤です。そしてこれは日本で作られるべきです」と強調した。
Noetra:国内44社が出資するAI開発企業
FRONTia Projectの中核となるNoetraは、国内44社の共同出資により設立されたAI開発企業。自動車、電機、素材など多岐にわたる業種から企業が参画し、日本の産業知識を集約した独自のAIモデル開発を目指す。プロジェクトでは、製造現場や物流、医療などの実データを活用し、現実世界で動作するAIの実用化を2030年までに達成する計画だ。



