2026年第2四半期、インドのスタートアップエコシステムへの投資額が過去最高の120億ドルに達し、前年同期比で45%増加したことが、ベンチャーキャピタル調査会社CBインサイツの報告で明らかになった。この急成長は、フィンテックと人工知能(AI)分野への大型投資が牽引している。
フィンテックとAIが投資を牽引
同報告書によると、フィンテック分野への投資は前年比60%増の40億ドルに達し、インドのデジタル決済市場の拡大が背景にある。また、AI関連スタートアップへの投資は30億ドルと倍増し、特にヘルスケアや農業向けAIソリューションが注目を集めている。CBインサイツのアナリスト、ラジ・クマール氏は「インドは世界的なテック投資のホットスポットになりつつある。特にAIとフィンテックの融合が新たな成長領域を生み出している」と述べた。
海外投資家の積極的な資金投入
投資額の増加は、海外投資家の積極的な資金投入が大きく寄与している。米国のベンチャーキャピタルや中東のソブリンファンドが大型ラウンドに参加し、インド市場への信頼感を示している。例えば、米国のセコイア・キャピタルはインドのフィンテック企業「ペイティム」に5億ドルを投資し、アブダビ投資庁はAIスタートアップ「デープシーク」に3億ドルを出資した。
インド政府の政策支援も追い風
インド政府のスタートアップ支援策も投資拡大を後押ししている。2025年に導入された「スタートアップ・インディア2.0」プログラムにより、税制優遇や規制緩和が進み、起業環境が改善された。インド商工省の高官は「政府の政策がイノベーションを促進し、国内外の投資家を引き付けている」とコメントしている。
今後の見通しと課題
専門家は、2026年通年での投資額が500億ドルを超える可能性があると予測する。一方で、人材不足や規制の複雑さといった課題も指摘されている。特にAI分野では高度なエンジニアの需要が供給を上回っており、給与の高騰がスタートアップのコスト圧迫につながっている。インド・スタートアップ協会の代表は「持続的な成長には、教育システムの改革とインフラ整備が不可欠だ」と警鐘を鳴らした。



