ChatGPTやClaudeが自社のAIモデルに限定される中、Gensparkは70種類以上のAIモデルを用途ごとに使い分け、仕事に使える成果物を作成する点が特徴だ。同社は2025年に検索サービスからエージェンティックAIへと転換し、口コミで急速に普及した。
多様なAIモデルを使い分ける技術
GensparkのCTOであるジュー氏は、「大規模言語モデルは毎週のように新バージョンが登場し、性能差が縮まっている。チャット画面越しでは素人に違いが分からない。そこでGensparkがユーザーに代わって最適なモデルを選択する」と語る。同社は新モデルを公開前から評価する仕組みを持ち、タスクごとに最適なモデルを割り当てる。単純な作業には軽量で高速なモデルを使い、品質とコストのバランスを取る設計が高評価につながっている。
口コミで広がった人気
Gensparkは最初の1年はほとんど宣伝を打たなかったが、公開から45日で200万ユーザーを獲得し、9カ月でARR(年間経常収益)が1億ドルに達した。CEOのサン氏は「純粋に口コミの効果だった」と振り返る。同社の作成する資料やプレゼンスライドは質が高く、会議で見た同僚が「どうやって作ったのか」と尋ね、教わった人がさらに口コミを広げたという。
誤解と実際の用途
特にプレゼンテーションスライド作りで定評があるが、ソーシャルメディアでこの特徴が強調されすぎたため、「Gensparkはスライド作成専用AI」という誤ったイメージが一部で定着した。実際には幅広い用途に対応しており、同社は表作成、動画・音声作成、動画分析などの人気機能をアイコン化して画面に配置。ユーザーはアイコンを選んでから指示を書くことで、例えば「AIシート」を選んで「2019年から2025年までのインバウンド観光客の推移を表にして」と入力すると、日本政府観光局(JNTO)のデータを抽出し、表とグラフを作成する。
音声認識と今後の展望
入力はキーボードだけでなく、音声でも可能。ジンCEOの英語は中国語訛りが強いが、ほぼ誤認識なく動作する。同社は音声認識技術にも優れている。Gensparkは今後もユーザーが幅広い用途に活用できるよう、機能拡充を進める方針だ。



