マイナビニュースが2026年6月に実施したアンケート調査で、退職金制度のある会社に勤める40代以上の現役社員の間で、支給見込み額の不透明さや老後資金への不安が広がっている実態が明らかになった。調査はマイナビニュース会員302名を対象にインターネットで行われ、退職金を受け取る予定があると回答した層の回答を集計した。
退職金の見込み額「わからない」が最多、34.0%
「退職時に受け取れる退職金はおおよそいくらくらいだと思いますか」という質問に対し、最も多かった回答は「わからない」で34.0%に上った。就業規則などで制度の存在は認識していても、算出方法の複雑さや将来のキャリア変動を考慮すると、具体的な金額をイメージできない社員が多い実態が浮かび上がった。
一方で、金額の目処が立っている層では「2,000万円以上~3,000万円未満」が14.2%で最多となり、次いで「1,000万円以上~1,500万円未満」が11.1%、「500万円以上~1,000万円未満」が8.6%と続いた。かつて社会現象となった「老後2,000万円問題」をクリアできる水準が一つの目安となっている可能性がうかがえる。
約7割が老後資金に不安、十分と感じるのは2.5%
将来受け取る予定の退職金に対する感情を尋ねたところ、「老後資金としては不安がある」が45.7%で最多。さらに「金額がわからず不安がある」が23.5%を占め、受給予定者の約7割が何らかの不安を抱えていることがわかった。一方、「十分だと思う」はわずか2.5%、「ある程度は安心できる」も18.5%にとどまった。
退職金の使い道については、老後の生活設計を見据えた防衛的な回答が目立った。57歳の男性(大阪府、レジャーサービス関連)は「今後の年金制度があやしいので、老後の生活費として節約しながら使っていきたい」とコメント。58歳の男性(愛知県)は「老後の生活費に充てたいが、足りないと思います」と述べた。
50歳の男性(奈良県、インターネット関連)は「老後2000万問題があるので、貯金に回したい」と回答。55歳の男性(神奈川県、海運・鉄道関連)は「老後の資金が全然足りてないので、それに当てる予定」と語った。44歳の女性(宮崎県、サービス業)は「金額もそれほど大きくないし、今この物価高で世の中がどうなるかわからないような時代なのでまずは貯金しておきます。昔のように旅行に行ったり服を買ったりしたいけど、本当にお金はいくらあっても不安は消えません。入ってくるお金はとりあえず貯蓄です」と切実な思いを明かした。
不透明さが心理的負担に、「あてにしない」スタンスも
「金額がわからず不安がある」と答えた層の自由回答からは、不透明さが具体的な人生設計を妨げ、守りの姿勢につながっている実態がうかがえる。55歳の男性(熊本県、専門店電気機器関連)は「いくらもらえるものかどうか現時点ではわからないので、あまりあてにせずもらったときは貯金します」とコメント。53歳の男性(大阪府、教育)は「金額が不明なのと一括でもらうのか分割でもらうのか……わからないことだらけなのでとりあえず貯蓄」と述べた。58歳の男性(群馬県、精密機器)は「どの程度の金額かわからない状態なので、老後に備えての少額からでもできる資産運用などを考えている」と回答した。
調査結果は、退職金制度が存在しても、物価高による目減り懸念や支給額の不透明さ、年金制度への不信から、受給予定者の間で「制度があるからといって必ずしも老後の安心に直結しない」という認識が広がっていることを示している。自発的な資産形成や情報収集の重要性が増していると言えそうだ。
調査概要:マイナビニュース会員302名を対象にインターネットログイン式アンケートを2026年6月18日に実施。



