トマトジュース人気の秘密、カゴメ4年連続過去最高を達成した背景とは
トマトジュース人気、カゴメ4年連続過去最高の背景

カゴメのトマトジュースが売れている。2025年の出荷量は前年比約116%となり、4年連続で過去最高を更新した。かつて「青臭い」「飲みにくい」と敬遠されたイメージは、令和の今、大きく変わりつつある。その背景には、単なる味の改良ではなく、「飲まれ方の変化」があるという。

有塩から無塩へ、味の変化がもたらした再評価

カゴメマーケティング本部飲料企画部の日髙顕さんは「かつて主流だったのは食塩入りタイプで、トマトの甘みを引き立てる一方、味としてはしっかり輪郭のある飲み物だった」と説明する。現在は健康志向の高まりを受け、カゴメトマトジュースの2025年出荷量のうち約9割が食塩無添加タイプへ移行。トマト本来のみずみずしさや飲み口のすっきり感が、かつての苦手意識を持つ世代にも受け入れられている。

機能性表示食品化が習慣化を促進

2016年の機能性表示食品化が転機となった。現在は「GABAが血圧が高めの方の血圧を下げる」といった機能性をパッケージに表示可能に。日髙さんは「お客様に飲む理由を尋ねると、機能性表示食品になったことを挙げる方が増えています。コロナ禍以降、健康意識が高まり、情報を自分で調べて選ぶ消費行動が広がったことも影響しています」と話す。売上の7割以上を占める50代以上では、「気が向いたときに飲む」から「毎日飲む」へと習慣化が進み、1人あたりの消費量も増加した。

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若年層にも拡大、SNSが健康意識を浸透

もう一つの要因は購買層の広がりだ。コロナ禍が落ち着き始めた2022年下期以降、20~30代の購入が増加。現在では若年層の伸び率はシニア層を上回っている。SNSを通じた健康情報の浸透により、「中高年の飲み物」というイメージが払拭されつつある。

生鮮野菜高騰が追い風、料理素材としても活用

近年の生鮮野菜の価格高騰もトマトジュース人気を後押しする。日髙さんは「生鮮野菜は高くて手が出しにくい。そうした中で、トマトジュースを選ぶ方が増えています」と指摘。常温保存可能で皮むき不要な利便性から、料理の「手助け素材」として活用する動きも広がっている。「単なる飲料ではなく、“液状トマト”という加工食品の一つと捉えていただければ、使い方はさらに広がるはずです」と期待を寄せる。

日本独自のトマトジュース文化

実はこうしたトマトジュース文化は日本特有だ。日髙さんは「欧米などではトマトは料理で大量に使われますが、ジュースとして飲む習慣は限定的。野菜ジュースの市場自体が日本独自のもので、海外ではそれほど一般的ではありません」と説明する。時代や生活者のニーズに寄り添った価値提案が、カゴメの4年連続過去最高記録を支えている。

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