31年ぶりの政策金利1%達成を受け、退職金の運用戦略に転機が訪れている。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏(ファイナンシャルリサーチ代表)は、「金利のある世界」が戻ったことで、これまでゼロ金利下でやむを得ず株式などリスク資産に偏っていた状況から、安全資産中心の運用へシフトできると指摘する。
リスク資産への依存から脱却
深野氏は、「金利は永久に上がり続けるわけではない」と前置きし、政策金利が1.5%前後でピークを打つと仮定すれば、預金や国債だけで老後資金を十分に増やすのは依然として難しいと指摘。その上で、「しかし、金利上昇によって、退職金のような大切な資金は『守り』と『攻め』のバランスを見直す好機」と語る。具体的には、リスク資産の比率を減らし、預金や国内債券といった安全運用商品のウエートを高めることが、これからの常識になると強調する。
債券の基本:金利上昇でも満期保有なら安心
深野氏は債券投資の基本について、「金利が上がると債券価格は下落するため、保有者は評価損を抱える可能性がある。しかし、満期まで持ち切れば額面通りの元本が戻り、約束された利息も受け取れる。途中売却を前提としなければ、日々の値動きに一喜一憂する必要はない」と解説。退職金のような長期資金こそ、この特性を生かすべきだと説く。
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