日産本社ビル970億円売却、電通は2680億円——外資マネー流入加速
大企業の本社ビルへの外資マネーの流入が加速している。日産自動車は横浜の本社ビルを970億円で売却する方針を固め、電通も本社ビルを2680億円で売却した。サッポロホールディングスも不動産開発子会社の株式を外資系ファンドに売却するなど、日本企業の不動産が外資の標的となっている。
フジ・メディアHDにも外資圧力、5100億円の不動産スピンオフ提案
経営不振に陥っているフジ・メディア・ホールディングスに対して、米系アクティビストのダルトン・インベストメンツが、総資産の35%にあたる5100億円の価値があるとされる不動産事業をスピンオフすべきとの株主提案を行った。この提案は株主総会で否決されたが、旧村上ファンドも同様の要求を継続。2026年2月、同社は村上世彰氏などが持つ同社株式(発行済み株式の34.37%、7100万株)を上限2350億円で買い取ることに加え、サンケイビルを中核とする不動産事業に外部資本を入れることに同意した。今後の売却手続きでは外資系投資ファンドによる争奪戦が予想されている。
大手デベロッパーの存在感低下、円安と金利高が外資優位に
一連の動きで気になるのが、大手デベロッパーの存在感のなさだ。サッポロ不動産開発の入札では東急不動産、三菱地所など数社が名を連ねたが、最終的には外資系が落札した。原因は円安と金利高にある。外資系から見れば近年の円安は日本の不動産をバーゲンセール状態にしており、円で勝負せざるを得ない日本側は圧倒的に不利だ。さらにインフレ進行に伴う金利上昇は、3~4兆円もの有利子負債を抱える大手デベロッパーには重い投資負担となる。結果、外資系投資ファンドの独壇場となっている。
都心優良不動産も外資の標的に、J-REITへのTOBも仕掛けられる
外国人投資家による都心マンションの爆買いが問題となっているが、都心優良不動産もアクティビストが先兵となって斬り込み、分離された不動産を外資系不動産ファンドが投資の道具として保有し、多額の利益を稼ぎ出している。米不動産サービス大手ジョーンズラングラサール(JLL)社は、2025年の日本国内商業用不動産への投資額が調査開始以来最高の6兆2180億円に達したと発表。うち外資系投資家による投資額は全体の34%を占める2兆1440億円を記録した。投資用途はオフィスを中心に賃貸レジデンス、物流施設、ホテルなど多岐にわたる。また、個別案件だけでなくJ-REITにも手を出し始めており、NTT都市開発リート投資法人や阪急阪神リート投資法人、サンケイリアルエステート投資法人などにTOB(株式公開買付)を仕掛けている。いずれも不調に終わっているが、日本都市ファンド投資法人はすでに3Dインベストメントの傘下に入っている。



